交易王 原題:『Handelsfuersten: Herren der Meere』(ボードゲーム開封編)
【登場人物】
与力藩の買掛担当。クニツィアジレンマが得意な方。噛めば噛むほど味がでる。
奉行藩の決裁担当。クニツィアジレンマが苦手な方。だって歯がゆいんだもの。
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ゲームの準備から始めましょう
奉行クニツィア謹製…
与力いきなりそんな渋い顔しないで下さいよ。
奉行別に彼のゲームがどれも苦手という訳ではない。ただ、苦手な場合は果てしなく苦手、ということが多いだけだ。
与力相性が悪いっつうことですかねえ。いきなりネガティヴな入り方だ。
ゲームの準備は難しくありません。
まず、プレイヤーごとに商品カード3枚を交易船カード2枚を配ります。そしてテーブル中央に商品カードを表にして6枚並べます。特殊カードは横に並べておきます。
そして、各プレイヤーは交易船カードの上に、6色の商品を表すキューブを1つずつ選んで載せます。これで準備は完了です。
奉行むむむ、あー、黄が麦、緑が材木、紫が藍、白が綿で青が魚、茶が毛皮…分かりづらくはないか?
与力このキューブ、彩色がぼんやりしてるんですよねえ。現在購入できる日本語版なら、こうではないんですが。
奉行うむむ…色味は悪くないのだが、これは惜しい。減点一と言わざるを得ない…。
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交易…かどうかは怪しいところも
奉行で、この商品キューブを売って稼ぐのか?
与力いや、実はそうではないのでしゅ。
奉行なぜ噛んだ。
各プレイヤーの手番は、2つに分かれています。
まず手番が回ってきたら、前半の手順として
- 商品キューブを1つストックの任意のキューブと交換する。
- 手持ちのコインを消費して特殊カードを購入する。
- どちらもしない。
という選択肢からどれか1つを選択して行います。
奉行商品を自由に交換できる…?
与力なんかちょっと違和感ありますが、そうなんですよ。特に場所だの制限だのはありません。
奉行大層やり手な交易商なのだな。で、特殊札というのはいかなるものか。
与力あ、それはですねぇ…
- 交易船:手元における商品駒が1つ増える。
- 商館:手番終了時に、山札から商品カードを1枚引いてもいい。
- 荷役:前半の手順終了時に、商品キューブをストックのものと1つ交換してもいい。
- 協定:決算で収入が発生したときに、追加で2コインを獲得する。
与力と、なります。
奉行うむむ?今一つピンとこないな。
与力手番の説明が全部終わっていないですからね。
前半の手順が終了したら、プレイヤーは
- 商品カードを決算する。
- 手札を2枚補充する。
のどちらかを選択して行います。
決算を行う場合、手札の中からどれか1色の商品カードを選び、テーブルに並んでいる6枚のカードの上に重ねて配置します。6枚まで、同じ色なら何枚出しても構いません。
カードを出したら、決算が発生します。場に並んでいる6枚のカードのうち、いま出したカードと同じ色のカードの枚数と同じだけのコインを、自分の交易船カードに載っているそれと同じ色のキューブ1個ごとに獲得できます。
与力つまり、同じ色のカードとキューブの掛け算ということですね。
奉行ふむう。
与力注意したいのは、まず「出した色のカードでしか決算は発生しない」ことです。例えば上の写真でいえば、白のカードを出して場の6枚がこうなったのなら、白のカードとキューブしか決算の対象にはなりません。
奉行6枚すべてについて、決算を考える訳ではないのだな。
与力もう1つ、「決算は全プレイヤーが対象」ということ。誰の手番で決算が発生したにせよ、全プレイヤーがコインを獲得できるかを確認し、できるならばコインを手に入れられます。
奉行む、つまり下手をすると敵に塩を送ることになる可能性もある、と?
与力はい。相手の持っている商品キューブをよく見ておかないと、自分だけが得する、という訳にはいかなくなります。
手札を補充する場合、2枚引いて手札に加えます。上限はありません。以上の手順が週ロゆしたら、次のプレイヤーの番になります。プレイ中、山札が尽きたら、ただちにゲーム終了となり、その時点で最も多くのコインを持っていた人が勝者となります。
奉行船をはじめとした特殊札は?
与力勝者を決める要素には入らないです。
という訳で…
与力溜めておいた甲斐がありましたよ。魚市場化して私の勝利です。
奉行むむむ、お主の行動を上手く封じていたつもりであったが…
交易王【ここがイカス!】
奉行確かに、面白いな。やっていることは単純だが、相手の動向を見て、どの商品を持つべきか、今何で決算すれば自分が一番得できるのか、そういう読みあいがかなり白熱するわ。
与力はい。そして特殊カードもうまく機能していると思います。
奉行できる限り自分だけ大きな実入りが得られるように…そう考えると、同じ色の札を同時に出すためには手札の枚数が重要であるし、一度に数多くの商品を交換できた方がよいし、そもそも商品を持てる数を増やすため、船は重要となる。特殊札はそういうことであるからな。
与力はい。ただ、勝利条件が最終的に持っていたコインの量なので、そのコインを使って購入しなければならない特殊カードを、どのタイミングで購入していくかは、考えなければいけませんね。
奉行全体的な傾向としては、上手いこと相手と相乗りして資産を稼ぎ、密かに溜めておいた商品を用いて、どこかで独り勝ちできるように機会を狙っていく。そんな進み方になろうかな。
与力どこで飛び出せるか、そのチャンスを逃さないように頑張らないといけませんね。
交易王【ここはちょっと…】
奉行箱絵からして交易をする商人になるのかと思いきや、どちらかというとやっていることは相場師であるな。
与力はあ。確かに持っている商品が減りませんからね。仕入れやら売却やらいう感覚はないです。
奉行また、上で褒めたこれの醍醐味は、おそらく三人から楽しめるのではないかな。
与力そこですか…
奉行二人で遊ぶと、相手に離されないように、手を広げられないように、相手と同じ構えにして、がっぷり四つ相撲になってしまう気が。差をつけづらい。
与力あとは手札の引き次第、というところですか?
奉行そうかもしれん。ただ、儲けられる商品に上手く相乗りして…というような、共闘体制を構築しつつ、丁々発止のやり取りをしていくのが、これの最大の魅力なのだとすれば、その状況が出来上がりやすい四人あたりが、実は一番楽しいのではないかな。
与力つまり、二人での遊びは悪くはないけれども…
奉行製作者が意図した面白さが最大限発揮できているのかは、ちと疑問に感じた。我々の交友関係と行動範囲の狭さゆえの問題だがな…。
与力でも、ゲームとしては十分に面白かったですよ。二人プレイ。
奉行うむ。それもまた間違いない。とりあえずもう一戦。
与力相変わらず負けず嫌いですよね、お奉行。
奉行魚と藍の区別が…実に惜しい。ところでなぜこの版を買った?
与力確か、ドイツ語版の流通が殆どなくなって、代替としてこのアメリカ版が店頭に並んだ時に買ったんだと思います。そして遊ぶ機会を逃したまま、つい最近まで死蔵されていたのですが。
奉行遊ぶのがここまで遅れるのならば、日本語版を買えれば一番であったかもな。