THE SPACE ザ・スペース(ボードゲームプレイ感想編)

ボードゲーム愛好

『THE SPACE ザ・スペース』を遊んでみた

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【登場人物】

奉行藩の決裁担当。宇宙船に設置しておいて欲しい椅子といえば?「椅子というか、宇宙戦艦ヤマトみたいな広々した空間でいきたいなあ」

与力藩の買掛担当。宇宙船に設置しておいて欲しい椅子といえば?「RECAROですかねえ」

無重力って怖い

与力無重力状態に慣れるために、宇宙飛行士ってプールの中で練習するとか聞くじゃないですか。

奉行そうらしいが、やぶからぼうにどうした。

与力私、ダイビングの体験やった時に、全く脚の届かない水の中で浮かんでいるのがすごく怖かったんですよ。してみると、たぶん宇宙も行けないんだろうと思うんですよねえ。

奉行そうか、じゃあ宇宙には行かずにゲームの準備をしてくれるか。

まず、プレイヤー人数に応じて抜くカード1枚をのぞいた12枚の宇宙船カードをよく混ぜ、そのうちの10枚を裏向きにして場の中央に円を描くように並べます。残った2枚はそばに置いておきます。次に、チケットカードをよく混ぜ、プレイヤー1人につき12枚を配布します。これで準備完了です。スタートプレイヤーからゲームを開始します。

ボードゲーム THE SPACE
ぐるりと打ち上げ待ちの宇宙船。

奉行2、3人で遊ぶ場合と、4人で遊ぶ場合のカード構成が変わるのだな。

与力そうなります。あと、残りの2枚のカードも、ゲーム展開によっては出番がありますよ。

宇宙から見た地球は…

与力さて、我々は宇宙旅行会社のスタッフです。

奉行スタッフです。

与力ご依頼のお客様を無事に乗船させ、宇宙へ送り出すのが仕事です。

奉行仕事です。ん、“無事に"?

与力はい、それではさっそく打ち上げ場へ行ってみましょう。

スタートプレイヤーは、伏せられた宇宙船カードのどれか1枚をめくり、表にします。各プレイヤーはそのカードに書かれた数字=座席数を確認し、手元のチケットカードの数字=乗客をどれだけ押し込めるか考え、スタートプレイヤーのカウントダウンが終わると同時に一斉にカードを出します。

ボードゲーム THE SPACE
今回の座席数は"18"。

奉行定員18人か…。

与力ですので、要するに全プレイヤーの出したチケットカードの合計数が18以内であれば、誰もあぶれることはない訳です。

奉行ふむふむ。

与力逆に、あぶれた場合、そのお客様はご乗船いただくことができません。

奉行えっ、ひどくない…?

与力そして、乗船できる順番はカードの数字が小さい順となります。

奉行確実性が高いのは一人旅なのか。むむむ。

ボードゲーム THE SPACE
出したチケットカード。高めだがどちらもファーストクラス。

与力おっ、2人ともファーストクラスのお客様ご案内からになりましたね。

奉行なんかでかい数字だけど、スペース的に乗れそうなので出してみたのだが。

与力ゴージャスなファーストクラスチケットカードはすべて高めの数字ですが、他の6色のスタンダードクラスチケットカードよりも優先して搭乗案内を受けることができます。

奉行ああ、空港の案内放送で聞くやつだな。

ボードゲーム THE SPACE
従って、こうなる。

与力2人プレイなのでランダム要素としてNPCが3枚目のカードを出しますが、オレンジのスタンダードクラス、5名様でした。

奉行スタンダードクラスは後回しになるのであったな。

与力はい、ですのでご案内は「黒8」「黒9」「オレンジ5」の順ですが、すでに17名様がご乗船なので…。

奉行オレンジ5は乗れずに帰宅、か?

与力はい。出したプレイヤーの手元に置いておきます。これは基本的に失点となりますので、手札とは別にしておきましょう。

奉行そりゃ失点になるよ。やむを得んよ。

そしてスペースノイドになる

ボードゲーム THE SPACE
乗れないパターン、その2。

与力おっ、全員同じ人数の乗客を案内しようとしましたね。同じ数字のカードはダブルブッキング…まあこの場合はトリプルブッキングですが、そういう扱いになるので、ご乗船いただけません。

奉行えー、またまたひどい。

与力ですので、座席数少なめだからといって、「1なら確約」ってことがなかったりするんですよね。

奉行いろいろ怖くなってきたな、この旅行。

与力ちなみに、数字の組み換えを狙えるように、スタンダードクラスの同じ色のカードは、複数枚を同時出しして、合計数の乗客案内を狙うこともできます。

奉行おお、「1+3+6」で10とかだな。

与力ただ、もちろん乗客案内は後になりますから、デカい数字で乗れないとつらいですわね。

奉行宇宙船の定員数で似たようなこと考えちゃうからなあ、これだからバッティングゲームは怖い。

ボードゲーム THE SPACE
ボーナスというにはあまりに貧弱ながら。

与力なお、定員数ピッタリで打ち上げできた宇宙船があると、エクストラ宇宙船カードが準備されます。最大2枚までですね。

奉行あ、準備の時に余った2枚だな。

与力ご名答です。このエクストラ宇宙船の打ち上げに際しては、「それまでに乗り込めなかったチケットカード」を手札に戻してプレイを行うことができますよ。

奉行おお、文字通り失地挽回の好機じゃな…好機…。

与力この場合4でしたからねえ。お、乗り込めなかったのが全部4以上じゃありませんでした?

奉行うるさい、ダブルブッキングしろ!

与力と、この最大12ラウンド1ゲームを繰り返し、ゲーム終了時に手元に残ったチケットカードの数字を「ファーストクラスは×2」「スタンダードクラスは×1」で計算して合計します。その数字が一番小さい人が勝者です。

奉行ファーストクラスの客を乗せられないとか、大問題だもんな。

与力そして3ゲーム先勝したプレイヤーが最終的な勝利を得ることになりますよ。

『THE SPACE』【ここがイカス!】

奉行とても分かりやすいバッティングゲームだね。

与力一言でまとめると、"カジュアル"という感じでしょうか。

奉行それでいいと思う。ただ、カジュアルであるための調整がしっかりされているよな。

与力ほほう。

奉行一番はカード出すまでのカウントダウンとかな。やっぱり時間制限が迫ってくるって、分かりやすくプレイがグニャグニャしてきて、いいだろ。

与力冷静にカウンティングして…とはいかないですね。

奉行まあ空港でも時間制限遅れちゃいけないしな。

与力走ることになりますから。

奉行ルールも面倒くさいことはない訳で、スッキリしている。

与力実質B5片面に収まるくらいですからね。お手軽ルールですよね。

奉行何をすべきか集中できるけど、相手のことまでは考える時間も無ければ考えすぎてもしょうがないしで、自ずとプレイのテンポは上がってくるよね。そういう点で、とてもカジュアルだなあと思う。

与力分かりやすいゲームという評価がぴったりきますか。

奉行うむ。こういったいわゆる軽量級ゲームが楽しいメンバーなら、ぜひ一度遊んでみてもらいたい。

ボードゲーム THE SPACE
本日の搭乗ご案内は終了いたしました。

『THE SPACE』【ここはちょっと…】

奉行ここはどーーしても突っ込んでおかねばならんのだが、何をやらされているのだ、我々は?

与力急にどうしたんですか。

奉行いや、旅行会社としておかしいだろ。空港に客連れて行って、席が無いからごめんなさいって、席の確保は旅行会社の仕事じゃないんかい!

与力そこのところですか…。

奉行で、同じ人数だったらダブルブッキングで乗れないって、どういう乗客管理しとるんじゃ。チケット買う時に個人情報とか入力させんのかい!

与力まあ、そうですねえ…。

奉行もちろん、このシチュエーションの無茶苦茶さは、ゲームが盛り上がるという点で逆にいいところでもあるんだけどな。やってて「なんでやねん!」ってなるから。

与力情景を想像すると阿鼻叫喚ですからね、この宇宙空港。

奉行ルール的なところでは、「複数出しをしていった場合、最後の方でチケットカードを出せなくなることがあるが、それは許容されるのか」とか「ファーストクラスチケットとスタンダードクラスチケットの間にダブルブッキングは発生するか」とか、細かいところで明記の無い部分はあったかな。まあ、たぶん前者はOKで後者は発生するだと想像したが。

与力はい。

奉行あとはカードの問題かな。ちょっと弱いので、ゲームが盛り上がるとあっさり曲がりそう。あと、数字の視認性が若干悪く見えるのは、これ、カウントダウンと併せてあえて焦らせるための調整かね。

与力『音速厨房』のフォントと同じことですか。

奉行そんなとこかな。新奇性というよりは誰にでも受け入れられやすいというゲームだね。

与力メンバーによっては定番になる可能性もあるので、ぜひ。

奉行修学旅行の夜とかにいいかもな。あ、あとこのゲームの名前は“宇宙"と“座席"両方の意味がかかっているのだろうな。

与力それで『ザ・スペース』ですか。

奉行そう考えると、宇宙にイスが一個だけ浮かんでいる絵も趣深いものよ。

与力額に入れて廊下とかに飾りたいですね。

ボードゲーム THE SPACE
4人プレイでしか登場しない30人乗り宇宙船。

奉行しかし宇宙旅行も近くなったようでやはり金持ち以外にはまだ縁遠い。

与力軌道エレベーターというのがそろそろ開発されると期待していたのですが。

奉行ひと昔前の「この年代にはこうなっている」設定を集めた年表とか見ると、そこまでいけてないよなあってのは多いもんね。

与力気軽な宇宙行きってのはその典型ですかね。

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