「平成終了のお知らせ」を遊んでみた
平成終了のお知らせ(ボードゲーム開封編)
【登場人物】
与力藩の買掛担当。好きな元号は?「寛永。銭形平次も投げている寛永通宝って素敵じゃないですか?」
奉行藩の決裁担当。好きな元号は?「文久。文久創業とか言われると重みが増して良い」
シャレをシャレだと分かる人だけ。
奉行元号を作る、とな。この漢字カードでか。
与力ざっくり流れを説明すると、神経衰弱の要領でカードを2枚取って、そこに漢字を組み合わせて元号を作る、と。まあそんな塩梅のゲームです。
奉行ふむ、難しいことはなさそうだな。ではちょっと遊んでみようか。
与力あ、あとこれ明確に時事ネタゲームなんですが、お奉行、ある程度シャレは分かりますよね? 説明書にも「シャレのわかるメンバーと遊んでください」と書いてありますので。
奉行ふん、わしは寛容さにかけては海道一と呼ばれておる。安堵いたせ。
与力寛容さに欠けて……?
奉行斬り捨てるぞ、きさま。
ゲームの準備は簡単です。60枚の漢字カードをよくシャッフルし、裏向きにテーブルなど場の上に適当に並べて場札を作ります。次に、スタートプレイヤーを決定します。以上でゲームを始めることができます。
与力なお、2人プレイの場合には、10枚くらいのカードを並べずに山札として残しておきます。これはゲームの最後に使います。今回はこのルールでいきますよ。
奉行で、スタートプレイヤーの決定だが(説明書確認)……ルール通りだと、そうそう決まりそうにはないな。
与力結婚式を延期するのは、中々難易度が高いですよ。一般人には。
さて、新元号の発表です。
自分の番が来たプレイヤーは、場札から2枚選んで表にします。そしてそこに書かれている漢字を組み合わせて、“過去に使われた元号”にならないのであれば、その2枚で新元号候補を作り、手元に置いておきます。上下の順は自由に変えられます。
奉行一度使われた元号はダメなのか。
与力選択ルールとして「同じ漢字を重ねて新元号にすることはできない」「諡号は新元号にできない」というものもあります。お好みでの追加することが可能ですね。
与力お、“保元”ですか。日本史的には有名年号ですね。
奉行このように新元号候補にできなかった場合はどうするのだ?
与力その場合、どちらか1枚を選んで手札にすることができます。もう1枚は場札に戻します。
奉行手札はどのように使うのじゃ?
与力手札があるプレイヤーは、場札の1枚目をめくった時に、手札と組み合わせて新元号候補が作れるようなら、その2枚で手元に新元号候補を置くことができます。
奉行手札同士で組み合わせるのは?
与力それは禁止ですね。
まさかの勝者
ゲームが進行し、場札が1枚以下になったら新元号の選定に移ります。
与力んで、3人以上で遊ぶ場合には、プレイヤーの投票で勝者を決定します。一番指示してもらえた元号を作れた人が勝者ですね。
奉行投票が同数になった場合にはいかにする? 漢字の総画数が多い方とかか?
与力一応、ルールが決まっておりますので、そちらを参照なさってください。「二種類の決着の付け方」がありますが、私は後者は自信ないですねぇ。
奉行ぜひ実物を確認してもらうか、これは。
2人プレイの場合には、ゲームの準備時に用意した山札を1枚ずつめくっていき、出てきた漢字と同じ漢字を使った新元号候補を作っていたプレイヤーが勝者となります。
奉行……出なかったな。この場合、誰が勝者なのだ。
与力システムの勝利になります。えっとですね……具体的にはこの方ですね(説明書提示)。
奉行うむむむむ、まさかの勝者。多少の金銭トラブルではへこたれぬのじゃな。
与力具体的には、ぜひ説明書を実際に御覧くださいませ。
『平成終了のお知らせ』【ここがイカス!】
奉行元号が変わる、という、現行制度ではそう一生に何度もくるわけではないであろうタイミングがきた、今の時期にこそのゲームじゃな。まさに期間限定ゲームだ。
与力色々な点でホットですよね。「平成の次ってどうなるのかな」という話題はちょくちょく見る訳で。
奉行その話題をゲームとして楽しめるのはなかなか。あと、元号の勉強にもなる。意外と「え、こんな元号があったんだ」と思わされたので、豆知識にも繋がりそうだ。
与力やっぱり、よさげな漢字はよく使われてるんですね。
奉行肩ひじの張らないゲームだが、上手いこと漢字を組み合わせて、面白げな新元号ができた時は地味に嬉しいぞ。
与力人によって「どっちの漢字を上にするか?」というのは、意外と違うものです。
『平成終了のお知らせ』【ここはちょっと……】
奉行良くも悪くも期間限定ゆえに、新元号が決まってからしばらくすると、「そういやあったね」みたいなテーマになるのはちょっと悲しいかもな。いまさらY2K問題、みたいなものだ。
与力ありましたね……。本文中で伏せた笑い所も、時事ネタだけに風化は避けられないでしょう。そしてそれを忘れた、知らない人にはもちろん意味不明になっちゃう。
奉行あと、元号づくりにおいて実は笑い所は結構難しい。できた候補を積極的に推していくとか、こうプレイヤー側の「新元号候補」に対するプレゼンが濃厚でないと、地味な時間に終わってしまうかもしれぬ。やってることは漢字二文字の組み合わせ、だからな。
与力そうならないように、おまけ漢字カードを使って珍元号ができやすいようにしておくと、オモシロプレイが発生しやすくなるかもしれません。
奉行わしらの場合は使わずにやってみたが、お主がずっと喋っておったから良かったな。
与力私の多弁もたまには役立ちますね。
奉行そして、元号変更に伴い、阿鼻叫喚にならざるを得ない業界の人は、ゲームが楽しいどころか、腹痛でも起こしかねないかもしれん。
与力そういうお辛い立場の方は、「シャレが分かるメンバー」に該当しないってことじゃないでしょうか。
奉行とにもかくにも時事ネタゲームじゃから、まさに今この瞬間、2018年中に思い切り楽しむべきゲームであることは間違いない。それ以降については、平成を懐かしむつもりで遊ぶことになるのかな? 時事ネタってやっぱり鮮度だな、うむ。
与力大丈夫です、そこはあらゆる時事ネタをゲームにする北条先生の次回作に期待しましょう。
奉行「嘉和」。“かわ”と来たらその次は“ねぎま”か“つくね”か。字は良いのに「かわにねん」とか気が抜ける。「応応」。遠山の金さんみたいに良い声で読まないと、やっぱり気が抜ける。
与力「観元」。音だけなら梨園の雰囲気が漂います。「平和」。一翻ですね。
奉行お互いになにを言ってるか相当意味が分からんな。