『Age of Craft ~大建築時代~』を遊んでみた
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与力藩の買掛担当。ポピュラスで神様になった経験なら豊富です。
奉行藩の決裁担当。シムシティは線路ばかりひいていた記憶が。
ダイスは資源、資源はダイス
『エイジ・オブ・クラフト』の各プレイヤーは、大商人となり、好景気に乗じて取引を成功させ、さびれた村を大都市へと変貌させることを目指します。
奉行うん、つまり町造り、国造りゲームである訳じゃな。
与力はい。で、この大量のダイスが開発のための資源を表しています。説明書によると、それぞれの出目に意味があるので、これを理解したうえで遊ぶと……
奉行より、世界観に入り込みやすくなる、といった塩梅であるかな。
ゲームをはじめる前に、まず6種類の基本カードを並べます。これを「基本サプライ」と呼びます。次に、29種類あるランダムカードの中から、7種類を選択し、同じように並べておきます。これを「ランダムサプライ」と呼びます。そして、スタートとなる「寒村」カードを各プレイヤーに1枚ずつ配布します。
ダイスはプレイヤーごとに3個ずつ配ります。配られたダイスを振り、出た目のまま、自分の前に置いておきます。この出た目の合計がもっとも大きい人が、スタートプレイヤーとなり、そこから順に各プレイヤー1回ずつ、「自分の前にあるダイス1つと誰かの前にあるダイス1つを交換するかしないか」選択し、ゲームスタート時のダイスを決定します。
残ったダイスは一か所にまとめ、ダイストレイを準備します(箱のフタで大丈夫です)。
ここからゲームが始まります。
奉行29種類中、7種類? それはまたずいぶんと少ないような……
与力それだけに、何度も遊べるようになってるってことでしょうね。基本カード、スタートカードと合わせて、1回のゲームでは14種類のカードが使われるってことですね。
奉行しかし、7種類どうやって選べばよいのだ?
与力ゲームに慣れるまでは、説明書に推奨セットが書いてありますし、ランダムに選ぶ際にも、きちんとルールがありますので、戸惑うことはないです。たぶん。
目指すは市長?
奉行んで、具体的に大都市にするにはどうすればよいのか。カードをたくさん集めればよいのか?
与力勝利条件ですね。あの、各カードの右下に書かれている数字が得点なんですが、それが20点以上になるようにするのが、とりあえず分かりやすい勝ちパターンです。
奉行分かりやすい?
与力もう一つ、基本サプライの「大商館」カードが全部なくなったらゲーム終了で、その時点で一番得点を持ってる人が勝利、というパターンもあるのですが……
奉行2人プレイという我らの環境では、なかなか発生しづらそうではあるな。
スタートプレイヤーからゲームをはじめ、プレイヤーごとに以下の手順を実行します。
①配給フェイズ
手番のプレイヤーは、ダイス置き場から3個のダイスを取ってダイストレイの中で振ります。
奉行どれどれ(コロコロ)……ふむふむ。カードは獲得できるかな?
与力あ、ちょっと待ってくださいね。その前にチェックが必要です。
そして、各プレイヤーは、この3個のダイスの出目の合計と、自分の前に置かれているダイスの個数を比較します。もしも個数の方が多ければ、持っているダイスの半分を、ダイストレイの中に入れなければなりません。
与力これを「バーストチェック」と呼びます。
奉行むむう、となると、資源大切といって、ダイスを溜め込んでいてもおれぬ、という訳か。
与力適切にダイスは使っていくべきなんでしょうね。
②獲得フェイズ
ダイストレイの中に入っているダイスを、手番のプレイヤーから順に1つずつ獲得していきます。これをダイストレイの中のダイスが無くなるまで実行します。
奉行これ、4人で遊んだりしている時は、バーストが発生しない限りは、新しくダイスを手に入れられないプレイヤーもおる、ということだな?
与力そういうことになります。
③交渉フェイズ
手番のプレイヤーは、他のプレイヤーとダイス交換を交渉しても構いません。ただし、手番プレイヤー以外が交渉を行ってはいけません。
奉行交渉ができるわけなのだな。お互い、欲しいダイスのやり取りをしてもよい、と。
与力交換できたらラッキー、くらいでやるのがいいかもしれませんね。
奉行確かに。なにせ、わしらは2人だしなあ。
④建築フェイズ
このフェイズでプレイヤーは、サプライとして置かれているカードを獲得することができます。
各カードの上には、獲得するために必要なダイスが書かれています。これと同じだけの出目と個数のダイスを手持ちダイスから支払うと、カードを獲得し、建築することができます。ダイスの数が足りていれば、1ターン中に何枚でも獲得して、建築することができます。
以上のフェイズが終了したら、次のプレイヤーの手番となります。ゲーム終了の条件が整うまで、これを繰り返します。
与力で、このゲームの肝になるのは、獲得したカードそれぞれが持つ特殊能力です。
奉行ほほう?
与力各カードには「ターンごとに1回」あるいは「建築時に」発動する能力があります。これを上手く使うと、特定の出目のダイスを手に入れたり、ダイスを別の出目に変換することができたりするんですね。
奉行はっはあ。つまり、上手くダイスを手に入れたり変換する循環システムを、カードを組み合わせていちはやく作り上げることが、勝利への近道、というわけじゃな?
与力価値の高いカードほど、獲得するためにダイスを集めなければなりませんし、出目もコントロールしないといけませんから、カードの能力を生かせるかどうかが、最重要になってきますね。
奉行なるほどなるほど。そこまで計画してカードの獲得ができてこその名市長、という訳じゃな。
与力そこは名町奉行、とか言いましょうよ。折角の機会ですよ?
奉行ここまで「大邸宅」が揃うと、ビバリーヒルズか広尾か、といった塩梅じゃな。
与力急に俗っぽくなりましたね。
勝負はダイスを生み出すカードを多めに獲得する与力に対し、ダイス運に勝る奉行は「邸宅」や「図書館」などを早めに狙う展開。結局1勝1敗で終わりました。
与力ニュータウン系な都市ですかね。
奉行あとは、ショッピングモールと学校でもあれば、よい物件になりそうじゃな。
『Age of Craft』【ここがイカス!】
奉行『エイジ・オブ・クラフト』とカタカナ表記させていただくが、いやはや、なんとも感心なゲームであったことよ。
与力どんなところがでしょうか?
奉行うむ、まあ説明書おススメのカードセットと、その他に選んだカードセットで1回ずつ遊んだわけだが、よくまあカードの能力が作られておることよ。
与力ゲームバランス的なとこですか?
奉行まだまだ2回程度のプレイでは分からん部分の方が多かろうがな、しかし見事に破綻なくまとめておられるように感じた。遊んでいて分かりやすい。
与力カードごとの特殊能力は多彩ですが、基本的なルールは、そう難しいものではないですね、たしかに。
奉行あと、ダイスを資源に見立て、それが生み出されたり変換される様子や、そのルートが拡大していくのが、なんとも都市の発展具合が見て取れるようで、実に感慨深い。
与力確かに、テーマとゲームの展開が、よくかみ合っていますね。
奉行ランダムカードの種類は豊富で、どうやって能力を組み合わせるのがより勝利しやすいか考えるのも面白いし、リプレイ性も高そうだ。長く楽しめるゲームではないかな。
与力実は拡張セットも2つ発表されております。ただ、今はこの本体も併せて休版だそうですので、ちょっと入手困難なのが残念ですね。(*2017年8月時点)
奉行そればっかりはやむを得まいのう。
『Age of Craft』【ここはちょっと……】
奉行気をつけたいのはダイスの取り扱いじゃな。興奮してしまって、自分の手持ちダイスをバラまいてしまったり、他のと混ぜないようにせんといかん。
与力出目が最重要なゲームですから、分からなくならないようにしておきたいですね。これおかしくなっちゃうと、ゲームの進行もおかしくなっちゃいますから。
奉行ゲーム的にどうこう……というのは、拡張の発売などがあったということは、バランスが取られておろうゆえに、今さら我らがどうこういうことは最早あるまい。
与力左様でございますな。
奉行あ、カードの角が角ばっておるゆえに、潰してしまうと少々見た目的に残念になる。手間暇かけたい方は、スリーブに入れるなどして対策した方が宜しいかもな。
与力それから、ダイストレイが欲しくなるのも難点ですかね。
奉行それはお主の物欲の問題であろうが!
奉行これだけの数のダイスを一度に見るのは、中々無い体験ではあった。
与力『T&T』を遊ぶ時には、このくらい揃えましたかねえ。懐かしい。