『宝石の煌き:MARVEL(Splendor:MARVEL)』を遊んでみた
- 【どんなゲーム?】
- 概要を詳しく知りたい方は、「開封編」をどうぞ。
- 【登場人物】
奉行藩の決裁担当。好きなマーベルのキャラといえば?「スパイダーマン。映画によって色々と違うもんだから、最初は混乱したもんだ」
与力藩の買掛担当。好きなマーベルのキャラといえば?「ウルヴァリン。ヒュー・ジャックマンを見るとみんなウルヴァリンに見えるので、レ・ミゼラブルとかを真剣に見づらい病にかかっています」
日本よ、これがボードゲームだ
奉行お、『宝石の煌き』と思ったら、カードがやけにエネルギッシュじゃな。
与力MARVELのキャラクターとコラボしたバージョンなんですよ、これ。
奉行おうおう、お主がTwitterで「欲しいなー」とか無責任につぶやいていたら、とても優しい方が助けてくれたゲームだったな。
与力YouTubeの『うるおいボドゲちゃんねる』様に大変お世話になりました。改めて、ありがとうございました。
奉行ショーウインドーの向こうのトランペットを欲しがっていた少年と、またまた後ろを通りがかった紳士、といった趣じゃな。
与力それで『聖者が街にやってくる』とか吹くんです?
奉行それよりゲームの準備のためにテーブルを拭いてくれ。
ゲーム開始の準備です。まず、キャラクターカードを1~3のレベル別に分けてよく混ぜます。それぞれを伏せて山にしたあと、上から4枚ずつを表にして並べます。
プレイヤー人数と同じだけの場所タイルをランダムに選び、キャラクターカードの側に置きます。インフィニティ・ガントレットタイルと、アヴェンジャーズタイルも同様においておきます。
各色のトークンをプレイヤー人数ごとに定められた個数用意して、カードの側にそれぞれ積んでおきます。今回は2人なので、4個となりました。なお、灰色のS.H.I.E.L.Dトークンは人数に関係なく常に5個、緑色のタイム・トークンは人数と同じ個数となります。これで準備は完了しました。一番年齢の若いプレイヤーがスタートプレイヤーとなって、ゲームを始めます。
与力あ、レッドスカルさんがいる。『キャプテンアメリカ 帝国の野望』で観ましたよ。ドイツ第三帝国出身の悪役ですね。
奉行ん? お主、最近のMARVEL映画は全然観ていなかったのでは?
与力いやあ、私が見たのは1990年版の……なんというか、その……な、作品でして。
奉行あー、B級。
与力ちなみに、なんか地方局で流れてたコスチュームのダサいテレビドラマ版も観ました。キャプテンアメリカの映像的な知識はそんなところです。
奉行お主は色々と本当に間違っているよなあ。
ボードゲームを知る-全人類に捧ぐ
各プレイヤーは自分の手番になったら、以下の4つのアクションから1つを選んで実行します。
- 灰色、緑色を除く5色のトークンから3色1個ずつを獲得する。
- 灰色、緑色を除く5色のトークンから1色2個を獲得する。ただし、獲得したいトークンが4個以上取れる状態である場合に限る。
- キャラクターカードから1枚を選んで予約することで、灰色のトークンを1個獲得する。
- 手元に獲得しているトークンから必要な個数を支払って、キャラクターカードを手に入れる。
アクションが終了したら、時計回りに次のプレイヤーの手番となります。
与力ゲームの基本的な流れは、「5色のトークンを獲得」して、「カードを手に入れるためにトークンを支払う」ことで、「勝利点を集める」ということになりますね。
奉行ふうむ、プレイヤーのアクションは『宝石の煌き』と全く同じなので、と言いたいところだが、当奉行所は紹介しておらなんだな、あの名作を。
与力入手が話題になってからだいぶ後になったので、まぁいいかな…ということで、紹介記事を書いていませんでしたね。
奉行では一から説明しておかんとな。
各キャラクターカードの左下には、「そのカードを獲得するために必要なトークンの色と個数」が描かれています。プレイヤーは、場に出ている中から欲しいカードを獲得するために、まずはトークンを獲得していく必要があります。
与力トークンは場に残ってさえいれば、手番時に3色のトークンを1個ずつか、1色のトークンを2個手に入れられます。まずはこうやって手元にトークンをためていきます。
奉行ほほう。ちなみに持てる上限はあるのかね。
与力えっと、自分のターン中は何枚あってもいいんですが、手番が終わる時には10枚までです。上限を超えた分は、場に戻すことになりますね。
奉行ふむふむ、10枚にしておけばよい、と。
与力それで、じゃあどのカードを取っていけばいいのか、って話になります。“キャラクターがプレイヤーのヒーローチームに参加する”、つまりキャラクターカードはプレイヤーの手元にくると、ボーナスパワーを発揮してくれます。
奉行ボーナス?
与力ホークアイの場合、右上にオレンジのアイコンがあります。これは、ホークアイが自分の手元にくると、以後、常にオレンジのトークンを1個持っている状態になる訳です。
奉行ほほお、しかもそれはトークンではないから…。
与力はい、使って無くなるものではありません。ですから、この先はオレンジのトークンが必要な場合、1個少なくてすむ、ということになります。
奉行なるほどのう。そうやってチームメンバーを増やしていけば、どんどん次のカードを獲得する手間が省けるようになっていくのじゃな。
与力そうです。そうやってトークンだけでは難しい、強力なレベル2、レベル3のカードも獲得できるようになりますね。
奉行カードを獲得したら、空いた場所には山札から新しいカードを配置するのじゃな。
与力左様です。それもお忘れなく。
なお、場のカード(あるいは各レベルの山札の一番上)を手元に持ってきて裏返しに置いておく「予約」によって、灰色のトークンが手に入ります。
与力S.H.I.E.L.Dはアヴェンジャーズを支援する人類の組織だったかな? ということで、設定そのままにプレイヤーを助けてくれます。具体的には、どの色のトークンとしても使えるんですね、この灰色は。
奉行あ、『チケットトゥライド』のSLカードみたいなもんね。
与力ただし、1人のプレイヤーは同時に3枚までしかカードを予約できないので、自動的に灰色トークンは3個までしか持てません。また、10個上限の制限対象にもなります。
奉行ふうむ。ところで、予約したカードは、獲得しなければならないのかな?
与力いいえ、獲得しなくても別にペナルティは無いです。ですから、うまく予約を使って灰色トークンを手に入れることも、重要な手です。
奉行お前のチーム、人相悪過ぎんか?
与力うーん、確かにヴィラン(悪役)多めですね。我ながらヒドイ。
最強の、終わりへ-
左上に数字が書かれているキャラクターカードは、プレイヤーに勝利点を与えてくれます。その他の得点方法も含め、勝利点が16点になったプレイヤーは、ゲームの勝者となれるかもしれません。
与力とりあえず勝利点の手に入れ方を説明します。1つはキャラクターカードが持っているもの。これは強いカードほど多いです。シンプルですね。
奉行レベル1より2、3と大量得点が期待できる、と。
与力あと2つはタイルからの得点です。場所タイルと、アヴェンジャーズ・アッセンブルタイルですね。
奉行場所タイル(写真右上)はあれか、『宝石の煌き』における貴族タイルみたいなやつか。
与力左様です。写真のタイル「ワカンダ王国」の場合、手番が終わった時に青4枚、赤4枚のキャラクターカードが手元にあれば自動的に手に入り、3点の勝利点を得ることができますね。
奉行うん、このタイルが入手できるようにカードを獲得していく、というのは1つの目安になるな。
与力もう1つのアヴェンジャーズ・アッセンブルタイルは、手元にあるキャラクターカードが持つ「アヴェンジャーズ」アイコンが3つ以上になると手に入ります。これは3勝利点ですね。
与力メンバー的にちょっと弱いですが、これでタイルを手に入れる条件が整っています。が、このタイルはゲーム中に所有者が変わります。
奉行ん? どういうことだ?
与力現在のタイル所有者を上回るアヴェンジャーズアイコンを集められたプレイヤーがいたら、即座にタイルはそちらへ移動するのですね。
奉行ああ、つまり「アヴェンジャーズアイコン3つ以上、かつゲーム中に最もアイコンを集めているプレイヤー」がこのタイルを持つ訳だ。
与力そうです。3点は馬鹿にならないですから、キャラクターカードはやっぱりアヴェンジャーズ関係のヒーローを優先したくなりますね。
奉行それで16点集めればいいわけだ。
与力ところがどっこい、そうもいかないのがこのゲームなんですよ。やっぱりストーリーが『インフィニティ・ガントレット』絡みだからなんですねぇ。
奉行なんだ、もったいぶるな。他にも条件が有るのだな。
プレイヤーは16点の勝利点に加え、以下の条件を満たすことで、ゲーム終了トリガーを達成します。
- 手元のキャラクターカードから5色全てのボーナスを得られる。
- 緑色のタイム・ストーントークンを手に入れている。
与力サノスさんご執心のインフィニティ・ガントレットは、6つのインフィニティ・ストーンを揃えることで力を発揮するとか、そういう話なんですよ。ですので、プレイヤーも6色全て揃えないといかん、てな訳です。
奉行ほーん。で、緑色のトークンはどうやって手に入れるのだ?
与力レベル3の有名キャラクターのカードを手に入れると、同時に手に入りますね。
与力誰かが16点かつインフィニティ・ガントレット完成の条件を満たしていたら、全員が同じ手番回数を行うように調整(スタートプレイヤーの右隣のプレイヤーまで手番を実行)して、ゲーム終了です。
奉行通常は終了トリガーを引いたプレイヤーが勝つであろうが、最後の手番でうまくすると、逆転もあり得るな?
与力左様です。同じく条件を満たしつつ、より強力なキャラクターを手に入れるとか、アヴェンジャーズアイコン数で上回ってタイルを奪ってみるとか…。
奉行最後の最後まであきらめないのがヒーローである、と。
『宝石の煌き:MARVEL』【ここがイカス!】
奉行ファンなら必携のゲームだろうな。まず。
与力豪華キャラクター勢ぞろいですからね。
奉行我らにとっての『時代劇3600秒』並みに、カードだけで数時間は楽しめる方々もおられるのではないか。
与力オールユニークカードですからね。それはもう楽しいでしょう。
奉行同じく、知っている方ならばカードを集める楽しさが増したかな?
与力人によるとは思いますが、自分のチームに有名キャラがちょっとずつ集合していく過程も楽しいですね。やっぱりキャプテンアメリカは欲しい!とか、そんな願望がプレイに反映されたりして。
奉行さて、ゲーム的なところでいうと、『宝石の煌き』よりも勝つための条件が増えたので、手幅を広げないといけない。
与力必要な勝利点が15点から1点増えた、というだけではなく、いくら勝利点を溜めても条件に合致しないと勝てるわけではない…というところですね。
奉行6色、レベル3カード必須、というのはかなりの調整じゃね。
与力そうですね。しかも緑トークンやアヴェンジャーズアイコンを与えてくれるカードは、結構獲得コストが重いので、下準備をしっかりしないといけないですし。
奉行まあ、純粋な勝利点早取り競争ではなくなったかね。仮に速攻を仕掛けるにしても、後の展開を色々考えないと。
与力手筋を絞って勝つのは難しいかもしれないですね。『宝石の煌き』では定石の手があると聞きますが、こちらはどうなのでしょうか。いずれ発見されるでしょうか。
奉行どうだろうねえ。わしは少なくとも元のゲームより、まんべんなくカードを入手できる、という部分に面白みを感じたよ。
与力お買い物の楽しさですね。
奉行この手のエンジンビルドゲーム?だっけ?は、どうしても狙ったエンジンが回るように色々カードを集めたいものな。それに、やっぱりいろんなヒーローが自分のチームに加わっていくのは遊んでいて純粋に楽しいよ。まあお主以上にほとんど知らない顔の皆さんだけどもさ。
『宝石の煌き:MARVEL』【ここはちょっと…】
奉行映画、観よう。ハマればハマるほど面白い、はず。
与力えーと…『X-MEN』と旧『スパイダーマン』は観たんですよ。
奉行お主の一番好きなウルヴァリンは、このゲームにいないじゃない。
与力ヒュー・ジャックマンですか。私、『レ・ミゼラブル』観てても「頑張れウルヴァリン!」とか思っちゃうんですよねえ。
奉行それはともかく、ゲーム的には『宝石の煌き』なんだから、文句なしなのじゃよ。
与力そうですね。
奉行ただまあ、調整が入った分、勝利までの道のりは遠くなり、若干プレイ感は重くなったと感じる方もおられるかも知らん。
与力その辺はどうしてもトレードオフですかね。ドライにサクサク遊べるのが、本家の良さでもありましたから。そこは消えてしまいます。
奉行拡張を入れたようなものじゃな。ただゲームシステムの妙をより濃く体感できる、という点では、わしはこちらをおススメしたいな。ただ、一番の問題はやはり入手性かね。
与力手に入れられる機会が有ればぜひ、としか言えないのが惜しいです。
奉行うーん…なんだろう。入手したら負け、というこの感じは、正に悪役の面目躍如なのか。
与力お奉行、予約で速攻消して別のカードを配置してましたからね。コストがヒーローよりも安くて勝利点も高いというお買い得物件ではあるのですが。
奉行なんか、悔しいじゃない。自分のヒーローチームは格好良くまとめたいじゃない。