『カブトスモウ:甲虫相撲』を遊んでみた
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奉行藩の決裁担当。いつか飼育したい甲虫は?「そう詳しくないのでありきたりすぎるが、ミヤマクワガタかのう」
与力藩の買掛担当。いつか飼育したい甲虫は?「パリーフタマタクワガタ。フタマタクワガタ系の顎はびっくりするほどカッコいいんですよ。次点でタランドゥスツヤクワガタかな」
If you smell…
奉行これはまた見た目に分かりやすいゲームだな。押し合いじゃろ?
与力さすがお奉行、ご慧眼感服いたしました。
奉行自分で言い出してなんだが、箱裏の写真で大体わかるだろ、これは。ともかく準備を始めようか。
ゲームを始める準備です。まず、テーブルの上に土俵を設置します。そして、各プレイヤーは使いたい力士カード1枚と、好きな色の力士コマ1つを選びます。その後、プレイ人数ごとに決められた初期配置通りに力士コマ、大中小のディスクコマを土俵上に並べます。余ったディスクコマと、今回土俵に上がっている力士の必殺技コマを、ストックとして土俵の横辺りにまとめて共通ストックとします。その共通ストックから、各プレイヤーの個人ストックに初期ディスクコマを配布したら、準備は完了です。
奉行基本、土俵のセッティングは決まっているのだな。
与力いつもフェアに戦いましょう、ということでしょうね。
奉行プレイ人数ごとに準備が違うのには注意が必要だな。
与力そうですね。説明書をよく読まないと、初期ディスク足りないなあみたいな疑問が出てきてしまうかも。
奉行4人プレイだけチーム戦になるところも注意しないとな。
Whatcha Gonna Do
準備が完了したら、スタートプレイヤーからゲームを始めます。基本のプレイは「個人ストックにあるコマ1つを土俵に押し込む」です。
奉行超シンプルじゃな。ゲームセンターで見るシンプルなコイン落としゲームとか、あんな感じか。
与力そうですね。コマを押し込む時には、押し込み台からまっすぐ土俵内に指で押していきます。弾いてはいけません。
奉行押し込む場所は?
与力土俵の周囲どこでも好きな位置を選べます。
与力押し込んだ結果、土俵から押し出されたコマがあれば、それは個人ストックに入れて次の手番から使うことができます。
奉行ああ、リターンを再投入できる訳ね。大きいコマが取れると有利か。
与力そうですね、大コマ取れるとでかいです。
奉行ちなみに、手持ちが無くなったら?
与力コイン貸し出しとかは無いので、手番時に使えるコマが1つも無ければ、敗北となります。
奉行うおう。それを警戒しながら、相手の力士コマを土俵の外へ落とせば勝ち、なんじゃな?
与力左様でございます。
奉行超シンプルじゃなあ。
That’s the bottom line
各力士は2つの必殺技を持っており、それぞれ決められたコストを支払えば、自分の手番に1回ずつ使うことができます。
与力コストはだいたい「個人ストックのディスクコマを支払う」感じですね。
奉行つまりなんだ、土俵から沢山コマを取って、それを使って大技を狙おう!って流れなんだな?
与力そうですね。超分かりやすいですよね。
奉行で、妙な形だったり、特殊効果のある必殺技コマを使えるという仕掛けになっているわけだね。
与力通常の丸いディスクコマとは違う動きをしますので、使い方次第で非常に強力かなと、そういう風に思いますよ。
与力お奉行の連続コマ押し込み突進にビビりましたが。
奉行君のクワガタの必殺技、わしがそのアゴに挟まれたら一発アウトじゃろ?
与力そうなんですよ。ただ、個人ストックが空になってしまい…。
奉行え、ここまで盛り上がっておいて、わしの判定勝ち?
与力しまらないですねえ。
奉行ミイデラゴミムシとかフンコロガシとか、なんか『地球防衛軍』やら『ハムナプトラ』やらのイメージが強いのう。
与力ミイデラゴミムシは個人ストックにコマさえあれば、1手番に2個連続で押せるので、コマを溜めてからが勝負でしょうね。
奉行逆に、お主のそれはなあ。でかいなあ。ウ〇コじゃろ?
与力もちろん、そうですが。ただ、コストでかいんですよ。
奉行やめろ、コラッ! そんなものをこっちに押すんじゃない!
与力なに言ってるんですが、こちとらエジプトでは聖なる甲虫として崇められていたんですから、おとなしく潰されなさい!
奉行知らんわ、そんな理屈!
与力うーん、負けた…。
奉行アレだな、基本、決まり手は押し出しだけだな。
奉行投げ技はないですね、はい。でも相撲です。
『カブトスモウ』【ここがイカス!】
奉行童心に帰るね、これは。
与力いい大人がコマ押し込むだけで夢中になって90分ですよ。
奉行遊びかたはホントに単純だからね。コマ選んで押すだけ。ただ、そこに結構ドラマがある。
与力そんなにドラマを感じられましたか。
奉行コマは基本的に丸いじゃない。隣り合っているコマが絶妙にまっすぐは押せないんだよね。少しでもスペースがあると、そちら側に吸収されてしまって、押し込んだのに何も起きない!みたいな事態が割とある。
与力それで土俵上の密度が上がってしまうと、相手のチャンスになりますからね。
奉行そう。ただ、一方で思った方向に押せるコマの並びを見つけると、グッと一気に押し込めるので、すごい嬉しくなる。
与力そういう意味では、結構ディスクの並び読みみたいな観察眼が求められますよね。
奉行勝利を追求すればな。単純に押し込んで落ちた残ったで騒ぐのがよいとは思うけど。
与力必殺技コマはどうでしょう。
奉行形が違ったり、大きかったり、特別な効果が有ったりで、土俵に上がってくるとやっぱりテンションが上がるよね。
与力有効かどうかはともかくとして。
奉行カブトムシの必殺技で4個連続で押し込んだのに、さっぱりお主のコマを押せなかった時はビックリしたよ、うん。使い方をよく考えると、強いと思うんだけどな。
与力これならまっすぐ押せそうとか、広範囲をすっかり押していこう、とか、工夫が広がりますね。
『カブトスモウ』【ここはちょっと…】
奉行とはいえ、ここは注意した方がいいなというところはある。
与力ほほう。それは?
奉行まず、落ちそうになっているコマが、プレイ交代のとき、押し込み台を移動させるときなどのちょっとしたプレイ外のタイミングで、わざとではないのに土俵から落っこちてしまうことがある。
与力ああ、確かに。ホントにギリギリのコマはちょっとしたことで落ちましたからね。
奉行そういうコマはどうするか。ルール的には共通ストックに戻すことになっているんだがが、土俵上がスカスカになってしまいかねない。
与力そうすると、ちょっと展開的に間延びしますね。
奉行コマの密度が低いと押せないし、取れないからね。だから土俵上に戻すか、プレイの一環だったことにしてプレイヤーが取るか、別途ルールを調整して遊んだ方がいいような気もしたよ。
与力そのほうがスムーズに行くかもですね。あくまで2人プレイでの感想ですが。
奉行あと、さっきは褒めたのだが、土俵上にコマが案外あっさりと吸収されることが有ったりして、最悪2手で個人ストックが尽き、ゲーム終了になることもなくはない。
与力悲しいですよね…。
奉行こういう事態を防ぐなら、初期配布のコマを1個多くしておくとかな。なんかそういう工夫が必要かも。
与力慣れていないうちは、「必殺技なし、手持ちコマ多め」で始まるジュニアリーグルールを使うのもアリですね。
奉行あと、土俵上の賑やかさに反して、分かりやすいアクションゲームではないと思うぞ。
与力そうですね、それは確かに。
奉行コマとコマがぶつかってドカーン、弾き出す!とか、そういう瞬発力のある華やかなゲームではない。それを期待してはダメだ。
与力しっかりじわじわ系ですね。わりと真綿で首を絞めていく感じかも。
奉行そうだな、アレに近い。ジョジョ第3部でダービーとジョースターがやったコップにコインをいれる賭け。
与力それで分かる人がいるかなあ。
奉行でも昆虫の力比べテーマだから、見事にがっぷり四つ、一進一退を再現しているとも言えるな。
与力おはじき系とか投げる系が好きな方は要注意ということで。
奉行あとは片付けが大変かな。土俵も押し込み台も結構でかいし、一度組み立てたらバラすのはちょっと怖いかなって感じの硬さがあるので、そのまましまっておきたい。
与力説明書も「組み立て後は接着剤で固定してね!」とか言ってますしね。
奉行うん、ただ、箱のサイズに対して結構ピッタリ入るので、コマは上手いこと空きスペースに詰める作業が求められるな。それも一応注意しておこう。
与力意外と色々大変ですね。
奉行ただ、それを上回る“所有することへの満足感”はあるんじゃないかな。絵といい、ゲームの見た目といい。
与力個人的にはもっと沢山カブトムシとかクワガタの種類が多いといいんじゃないかと思いました。ギラファノコギリクワガタとか、フタマタクワガタ系とか、それこそグラントシロカブトなんでアメリカ産ですし…。
奉行よくまあつらつらと名前が出てくるな、そんなに。
与力実はですねえ、この4体には元ネタがいそうなんですよね。うん。
奉行伝説の名力士って話か?
与力そうそう、雷電為右衛門とかですね…じゃなくて、プロレスラーですよ。
奉行プロレス?
与力力士も向こうではスモウレスラーじゃないですか。で、日本の昆虫、相撲、そしてアメリカンプロレスのハイブリッドになっているのではないかと。
奉行疑うなあ。
与力まず左上のミイデラゴミムシから説明しますね。この「ザ・グレート・メタモルフォージス」の元ネタは、「ザ・グレート・ムタ」ではないかと思います。
奉行そらまたなんで?
The Graet Muta
https://youtu.be/hXRxpbiGMds
与力必殺技「グリーンミスト」は、グレート・ムタの代名詞です。あと、「The Great M」まで名前が同じ。一時代を築いたWCW時代の映像で無いのが申し訳ないですが…。
奉行うーん、そうなのかなあ。
与力つぎ、右上のヘラクレスオオカブト、「ザ・ペブル」の元ネタは2人。「ブッカーT」と「ザ・ロック」です。
奉行ふぅん…。
BookerT
https://youtu.be/NabIaYUDhzw
The Rock
https://youtu.be/ZcIYOgcCcnM
与力まず必殺技の名称「CAN YOU DIG IT?」はブッカーTの決めゼリフです。「分かってんのか?」「分かったか?」ってJ SPORTSの放送では訳されてたやつですね。
奉行ははあ。
与力で、ザ・ロックのいくつかあるニックネームの一つが「PEOPLE’S CHAMPION」。2つ目の必殺技の名称が「INSECT’S CHAMPION」ですから、近いですね。
奉行ふむ…。
与力で、ザ・ロックはハリウッドスターのドウェイン・ジョンソンとしてもお馴染みですが、2014年の主演映画に「ヘラクレス」があります。どうですか。
奉行どうですかって言われてもねえ…。
与力では3体目。左下のゴミムシダマシ、「カクタス・ジャック」は、そのまんまデスマッチ系レジェンドレスラー「カクタス・ジャック」ですね。
Cactus Jack
https://youtu.be/711fSCv7GTk
奉行ううん…。
与力イラストがポイントになってきます。この赤いボロボロの袖なしシャツは、カクタス・ジャックのトレードマークです。あと、鉄条網っぽいのが見えますよね。カクタスはデスマッチでよく鉄条網使ってましたから。
奉行ふうん…。
与力あと、必殺技「BANG BANG」は、カクタス・ジャックの決めゼリフですね。これは間違いなかろうと思いますが。
奉行そうですか…。
与力最後、右下のやつ行きましょう。カブトムシの「キマリテ」は、たぶん「ヨコヅナ」です。
Yokozuna
https://youtu.be/ya1Pm23-XMI
奉行もう少しディテールは何とかならなかったのかな、このレスラーさんは。
与力ひと昔前のアメリカンプロレスにおいて、反日感情を煽る日系ギミックレスラーのクオリティはお察しです。ともかく、1人だけ日本語の名前がそのままついているからそうなんじゃないかな、と思ったんですけどもね。それ以外に理由はあんまり無かったです。
奉行迷推理も最後で少し息切れした感じはあるな。
与力残り4体も、なんかしら元ネタある気はするんですよね。ここまで読まれた中で思い当たるフシがある皆様、よろしければ是非ご意見をお寄せくださいませ。
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