マルコポーロの旅路(原題『Auf den Spuren von Marco Polo』)を遊んでみた
- マルコポーロの旅路 原題『Auf den Spuren von Marco Polo』(ボードゲーム開封編)
- マルコポーロの旅路 原題『Auf den Spuren von Marco Polo』(番外・キャラクター解説編)
【登場人物】
与力藩の買掛担当。歴史と国語は得意です。数学と英語なんて知りません。
奉行藩の決裁担当。歴史は好きですが、今も昔もとにかく人物名を覚えるのが苦手。
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さあ、旅を始めよう
さて、ゲームを初めてみましょう。コンポーネントは大がかりに見えますがそんなに大変ではありません。
ゲーム開始時、プレイヤーはダイス5個、交易所コマ9個、依頼タイル1枚、目的地カード2枚、人物カード1枚、7コインを受け取ります。これで旅の準備は整いました。
奉行なかなか持ち物の量が多いのう。
与力とはいえ、実はやること自体は至極単純なのですよ。で、プレイヤーは何をするかというと…
与力まあ移動だけなら簡単そうな気もしますが、旅には元手が必要です。また、移動の合間に商売などをして、利益の追求もしなければなりません。名実ともに備わった旅を成功させたプレイヤーが勝者ということになります。
奉行東西をつなぐ道を往く大旅行者としてのみならず、大商人も目指さねばならぬか。二兎を追う者は一兎をも得ず、となるかもしれぬぞ。
与力できれば一兎だけにしたいのは、やまやまなんですがねえ。
各プレイヤーは手番の最初に原則5個のダイスを振ります。自分の手番が回ってきたら、このダイスをボード上のアクションエリアのいずれかに配置することで、移動や買い物などを行うことができます。
与力つまり。ダイスを振り、ボードに置いてその効果を適用。これの繰り返しです。
奉行なるほどのう。
ダイスを置いてアクション決定
ボード下部にまとめられているアクションエリア。ダイスの絵が描かれているのでわかりやすい。
さて、それではプレイヤーはダイスを置くことでどんなアクションができるかというと…
- コインをもらう:5コインを獲得します。
- 商品の入手:金塊、絹織物、コショウを獲得できます。
- ラクダの入手:移動手段などとして使えるラクダの獲得ができます。
- 皇帝の恩寵:モンゴルの大ハーンから任意の商品とラクダ2頭を賜ります。
- 依頼の獲得:指定の商品などを集めることで達成し、勝利点などを得られる依頼タイルを獲得できます。
- 移動:コマを移動させます。
ダイスを置く際には、より大きい目の方が効果は高くなります(たくさんの商品を得られる、移動できる距離が長くなるなど)。なお、複数のダイスを置くように指示されているアクションを行う場合、置いたダイスの中で最も低い目のダイスの効果を適用します。ですから、大きい目の効果を狙いたい場合には、大きい目のダイスを組み合わせて置くようにしなければなりません。
与力例えば市場の場合、金塊には3個、絹には2個、コショウには1個のダイスが必要となります。で、金塊に出目“6”“4”“3”という3個のダイスを置いた場合、3の出目で獲得できる量の金塊が手に入る、という寸法です。
奉行うむ、大体分かった。大きな目が出るように賽を振り、それを置いていく訳だな。
与力ダイスを置ききったら、そのプレイヤーのラウンドは終了となります。
奉行同じ行動を繰り返すことはできんのかのう。
与力全く同じ行動はラウンドに一回です。市場は得るものの種別が違えば可能です。
奉行むむ。他の者がすでに賽を置いていた場合は大丈夫であろうな。
与力置くことは可能ですが、出目に従ってコストを支払う必要があります。
奉行なんと。他者の動きも推察しつついかねば、資金不足で身動きが取れなくなりそうだぞ。
与力まあそれはさておき、他のアクションもありますよ。
この他に、プレイヤーは追加アクションを、ダイスを置く前と後に行うことができます。
- 依頼の達成:依頼タイルに指定されている商品などを消費し、達成ボーナスを獲得します。
- コインの獲得:ダイス1個を消費して3コイン獲得します。
- ダイスの振り直し:ダイス1個を消費して、それ以外のダイス1個を振り直します。
- 出目の増減:ラクダ2頭を消費して、ダイスの出目を±1します。
- 黒ダイスの獲得:ラクダ3頭を消費して、1ラウンドだけ使える黒ダイスを1個獲得します。
奉行こう見ると、やれることはやはり多いように思うがのう。
与力最初は戸惑いますね。でも慣れさえすれば、それほど複雑ではないとは思います。何をするにせよ、ダイスを使うということで考えておけば、間違いはないんじゃないかと。
◎移動にまつわるエトセトラ
プレイヤーは(基本として)西から東へ、都市から都市へ移動していきますが、コマが移動した先の都市によって、何らかの効果が発生することがあります。
都市には小さい順に「オアシス」「地方都市」「大都市」の3つがあります。
- 「オアシス」に止まっても、プレイヤーは特に何も恩恵を受けません。
- 「地方都市(青)」には、「都市ボーナスタイル」があります。ここに止まったら、プレイヤーはそこに交易所コマを置き、ボーナスタイルに描かれているだけのボーナスを手に入れます。そればかりではなく、交易所をおいたプレイヤーは、毎ラウンドの初めに、同じボーナスを手に入れられるようになります。
- 「大都市(赤)」には「商館ボーナスタイル」と「都市カード」があります。ここに止まったら、プレイヤーはそこに交易所コマを置き、商館ボーナスタイルに描かれているボーナスを手に入れます(ただしタイルは一度効果を発揮すると回収されます。つまり最初に交易所を作った人のみのボーナスということです)。さらに、交易所を置いたプレイヤーは、アクションを選択する際に「都市カード」の上にダイスを置き、その効果を適用することができるようになります。
奉行むむむ?ということは旅路が広がれば、何ぞ貰えるようになったり、賽を置く選択肢が広がる、ということか?
与力はい。必ずしも有利になるかどうかは分かりませんが、交易路が拡大することで、プレイヤーがやれることは確実に多くなります。
奉行なんとのう。それで世界の広がりを表しておるということかな。
与力で、ゲームは全5ラウンドで終了します。それまでに「依頼の達成」や「都市ボーナス」などで稼いでいた勝利点に、「目的地カードの指示通りに交易所を建てられたか」「大都に交易所を建てられたか」「依頼をどのくらい達成したか」「手元にどのくらいのコインと商品が残っているか」などで得られるボーナスを加算し、最終的な勝者を決定します。
奉行ふむう、普通にいくと5の5であるから25個の賽を置けば全て仕舞となる訳か…。
与力その辺は結構スピーディですよね。
◎最後のスパイスは人物カード
ゲームタイトルになっているマルコ・ポーロと、彼の時代に生きた人物のカードが、プレイヤーに配られています。彼らはそれぞれ違った特殊能力を持っています。これを上手に活用することが勝利への近道…っぽいのですが。
奉行ちょっと待て。わしの人物カードの説明には「賽を振りません」と書いてある。賽を振るのが醍醐味ではなかったのか?
与力私は毎ラウンド、ダイスが1個増え、依頼タイルを1枚貰えます。
奉行なんとのう、そもそもの決まりを根底から覆すような力ばかりのような気がするが…
与力そうですね。ビックリするぐらい強力な能力が多いです。
で、2人プレイの結果は、奉行が勝利。
奉行依頼タイルを多めに獲得していく作戦が図に当たったわい。
与力目的地カードの達成を軸に考えていたのですが…南北移動できる地域があまりないので、南北に広がっている都市に交易所を建てるのは、かなり急がないとダメっぽいですね。
【マルコポーロの旅路】ここがイカス!
奉行非常に手が広いように思う。どう動いてもある程度点は取れる訳だが、「ああすればよかったのではないか」という可能性を探るべく、すぐに再戦したくなる。
与力そうですね。しかも大都市の都市カードや商館ボーナスタイルは、ランダムに決定されるので、ボード上の状況は常に一定ではありません。そこも面白いですね。
奉行やれることは実に多いのだが、手が限られておるからな。盤面をよく見て、最適解を見つけることこそ肝要かな。
与力はい。だからこそ、一手の打ち誤りが大きなマイナスになることは、ありえそうですね。
奉行そう考えてみれば、思いのほかギリギリの選択を迫られ続けている旅路であるような気がせぬかな。
与力実はレースゲームなのかもしれないですね、これ。
【マルコポーロの旅路】ここはちょっと…
奉行慣れれば確かにやることは至極単純。しかし、慣れればだ。慣れるまでは、一体、なにを、どう組み合わせればよいのか、最適解を見つけるのに苦労するであろう。
与力やれることが多いだけに、あらゆることを考えて、勝利に至るルートを探さないといけませんね。これはもう、慣れ次第じゃないかということになりますか。
奉行つまり、『ツォルキン』の時と同じじゃな。慣れた者と初心者を混ぜて遊ぶのはお勧めできぬということだ。
与力やり込みがモノを言うとお察しになられましたか。
奉行いかにも。まあ、賽の目次第ではどう転ぶか分からぬところもあるゆえに、大体どのような具合で進行するのかを把握してもらえれば、そこそこ対等に遊べるようになるのではないかな。それまでに飽きて匙を投げられぬよう、初心者を誘う時には気を付けたいところだ。
与力なるほど。いわゆるゲーマーズゲーム、と呼ばれるゲームによくある問題ですね。
奉行そして、全員が慣れるまでは、箱の遊戯時間は当てにせぬ方がよいと思う。
与力それもよくある現象ですね。倍の時間見ておけばOKでしょうか?
奉行だいたいそのくらいであろうな。