『シノビエンパイア SHINOBI EMPIRE』を遊んでみた
シノビエンパイア SHINOBI EMPIRE(ボードゲーム開封編)
【登場人物】
与力藩の買掛担当。忍者ゲームといったら?「忍者じゃじゃ丸くん」
奉行藩の決裁担当。忍者ゲームといったら?「忍者龍剣伝」
石垣を登るために指を鍛えておこう
奉行忍者ゲームか。お主の言う忍者は、最近では『古事記にも書いてある』とかいうような連中のようだから、一抹の不安もあるが……
与力ネオなんとかいう都市で戦うゲームってことはないです。安心してください。
このゲームの世界でのプレイヤー(忍者の頭領)の目的は、自分の配下の忍者を、カードを並べて形作られる城の中に、数多く潜入させることです。
ゲームを始める前に、各プレイヤーは担当する忍者の色を決め、その色のチップ7枚を受け取ります。その後、カードをよく切り、5枚ずつ配ります。残りは山札として、裏返してまとめて置いておきます。これで準備は完了です。
奉行おう、ごく簡単な開始の手続きじゃな。すぐに始められよう。
与力特に迷うことは無いですね。
奉行んで、ゲームに勝つためには何をどうすればよいのかな?
与力はい、この最強の忍者軍団の頭領となるためには、自分の手元にあるチップを、使い切らなければなりません。
奉行……“最強の忍者軍団の頭領”という言い回しに一抹の不安を覚えんでもないが、ではまあそのチップの使い切り方を説明してもらいながら遊んでみるとするか。
潜入の際には糸紐、カスガイが役立ちます。
自分の順番になったプレイヤーは、まず山札から1枚を引いて手札に加えます。そして1枚を表にして場に出します。これで手番は終了し、次のプレイヤーの順番となります。
奉行おおう、えらく単純だな。では、ほい。これでよいか?
与力はい、それでは、私はここに。
二人目以降のプレイヤーは、既に場に出されているカードの左右、あるいは上に隣接するようにカードを配置していきます。こうして、徐々に城の内部がどうなっているか、明らかになっていきます。
与力この時、注意しなければならないことが2つあります。1つは、「左右、上には7枚までしか並ばない」こと。そして「左右にカードが有っても、下にカードが無い場合には置くことはできない」こと、ですね。
奉行ふむ、つまりこのカードで出来上がる城は7枚のカードが7階並ぶ以上にはならん、ということ。そして、下の階が無い、浮いた2階以上を作ることはできん、ということだな?
与力まあ、そうなります。
奉行最初におかれたカードの下には配置できぬか?
与力左右か上なんで、下は無理ですね。
奉行地下構造は許されぬか……。
敵味方識別には合言葉を用いましょう。
カードが横に7枚並ぶ中で、各階には部屋が出来上がっていきます。部屋とは、カードに描かれた赤い壁で左右を閉じられた範囲です。各階で最も大きな部屋が確定したら、各プレイヤーはその部屋を形作っているカードを確認し、自分の色の忍者が描かれていたら、その上にチップを置いていきます。
与力若干見づらくて申し訳ありませんが、この写真の城の場合、例えば地上2階部分ですね、手前から見ると右側5枚の左右両端に、赤い太いラインが入っているのが分かりますね? これが壁です。
奉行逆から撮影したにせよ、なぜ反転もせなんだのか……
与力生の様子を伝えたいというコンセプトですよ。いずれにせよ、5枚で作られた部屋が一番大きいので、この部屋を作っているカードに描かれた忍者を確認します。すると紫3人、黒4人、赤1人なので、その色のチップを担当しているなら、置いて使うことができる訳です。
奉行なるほどのう。つまり、7枚並べる間に、上手く壁が描かれたカードを置いて部屋を作りつつ、その中に自分の担当する色の忍者が入るようにしていきたい、というのがプレイヤーの狙いになっていく訳か。
与力ですね。見てわかるように、忍者は1枚に必ずしも1色とは限りませんし、同じ色が複数描かれた、お得なカードも有ったりしますから、上手く壁を使って小さい部屋に閉じ込めてしまうとか、あるいは逆に壁の無いカードを使って、部屋ではないスペースにしてチップを使わせない、などの妨害も狙うことができますかね。
奉行ふむふむ。ちなみに、3枚使った部屋が2つとか、一番大きい部屋が1つの階に複数できてしまった場合には?
与力その場合は、一番大きい部屋が無い、という扱いになります。
奉行あくまでオンリーワンにならねばならぬか。忍びの世界は非情じゃな。
危ない時には遁走術を使って逃げるが上策です。
カードの中には、状況に変化を加えるものもあります。写真上段の「風神」「雷神」カードは、場に配置されると、それぞれ全プレイヤーは左隣、右隣のプレイヤーに、全ての手札を渡さなければなりません。
奉行手札を溜め込んでも、持っていかれる可能性がある訳じゃな。
与力2人プレイよりはもっと多い人数の時に、面白いことになるでしょうね。
写真下段の「侍」カードが含まれて出来上がった部屋には、チップを置くことができなくなります。
奉行つまり、一番大きい部屋潰しで置きにいったりすれば面白そうじゃな。
与力侍が出現した時点で、部屋を大きくしづらくなりますからねえ。
以上のルールでカードを並べてチップを配置し、いち早く手持ちの7枚のチップを使い切ったプレイヤーが勝利となります。
さて、奉行(紫忍軍)と与力(黒忍軍)の激突は……
奉行最後の1枚を上手く押し込む時期を見極める事こそ肝要じゃな。
与力気が付いたら私の忍者はみんな部屋の外でしたね。
『シノビエンパイア』【ここがイカス!】
奉行うん、分かりやすいゲームじゃな。
与力確かに。基本はカードを引いて並べる、だけですからね。
奉行ではあるが、考えどころも多い。例えば3人の忍者が描かれているカードをどこで使えば部屋に入ることができるか、部屋を作るために、あるいは作らせないためにはどこに壁を建てればいいか。相手の様子も見ながら、上手くタイミングを見計らわねばならぬ。
与力お互いの狙いを察しながら進めていけると、面白くなりますね。
奉行あとはそうだな、やはりカードのイラストは素晴らしいな。さすが『餅は餅屋』といった塩梅か。
与力中には、ドラマ性すら感じるものもありますね。
奉行このカードは一見の価値ありじゃと思う。ゲームとは関係なしに、並べたくなるほどだ。
『シノビエンパイア』【ここはちょっと……】
奉行実際どうかは分からんが、多人数プレイの時に果たして決着がつくかは不透明な気もする。
与力おや、なぜですか。
奉行ルール的にはじゃな、チップを使い切れずに、山札も手札も尽きたら、全員引き分けということになるのじゃが、ゲームの展開的に、複数プレイヤーが団結して、トップ叩きがしやすいのではないかとな。
与力まあ、確かに4人とかならば、勝っているプレイヤーが狙い撃ちされると厳しそうですねえ。
奉行やってみんことには分からんが、あまりにそれで決着がつかない場合には、勝利条件を、例えば「チップを一番置けたプレイヤーが判定勝利」とかにしてもいいかもしれんな。まあ、なんとなくそう思っただけで、杞憂かもしれんがのう。
与力確かに4、5人プレイはしてみたいですね。我々の環境ではなかなか実現しませんが。
奉行あとは、ピンクや赤色装束の忍者は、本当に潜入する気があるのか、心配になる。
与力だからといって藍色とか柿渋色とかばかりにしたら、区別がつかなくなるでしょ。
与力チップを置く時に「バンザーイ!」とか言わないで済むのは、やはり心の平穏が保たれますが、ちょっと寂しくもありますね。
奉行お主、変なクセがついてしまっておるな。これはボードゲームの副作用か?