「準備は丁寧に、平面は垂直に」
ダイレクトなものを作りましょう。
与力こんにちは、今回もよろしく……これは先生、ずいぶんなイメチェンを。
与力えーっと、左の先生が物理無効で、右の先生が魔法吸収とかでしょうか。ていうかおばけですか?
もふおや、また来たね。
もふ夏といえば、おばけの季節だからね。おばけ好き?
与力いや、怖いのはダメです。苦手です。ですが、実は今回はまさにそれを作りたい、と思いまして、ご指導を頼みに参りました。
もふあ、おばけ作りたい? いいね、かわいいのを作ろうよ。
Tips12 作りやすくて使えるテーマ
おばけはボードゲーム界においてかなりメジャーな存在で、色々なゲームのコンポーネントに含まれています。このおばけたち、流石に海外製ゲームに出演するだけあって、円山派が一般的にした日本のおばけとは違って、直立したシーツのような、かなり単純な形状をしていることがほとんどです。『ガイスター』や『おばけキャッチ』などのコマが典型例ですね。
この形状、羊毛フェルト的にはかなり形にしやすいということで、もふもふ先生はゲームグッズ製作を志す与力への次の課題として、まさにおばけを考えていたのでした。
まずは独特の形状をめざします。
もふおばけの形は、だいたい円錐になってるので、それをイメージしてベースを作りますよ。もちろん、白い羊毛を使います。
与力これを前回同様に、ギュッと巻いて丸めていく訳ですね。
もふそうだね、両はじは適当に真ん中に寄せながら、ギュギュッと固めていきます。
Tips13 再確認! ベースはしっかりまとめよう。
羊毛フェルトは針でチクチク刺すことで羊毛が絡まり、ギュッと固まって形になっていきます。が、ぽわぽわな状態の羊毛を刺してまとめていくのは、とても大変です。ですので、最終的な形をどうしたいのかよく考えて、それに近づきやすい形を作ってしまいましょう。そこから刺していった方が断然楽ですし、キレイにできあがりますよ。
今回は先生のお言葉通り、“円錐状のおばけ”ですので、まずは円柱を目指して羊毛を巻いていきます。ぐるぐる。
もふほら、こんな感じだよ。どうかな、うまくできたかな。
与力うーん、一応まとまりましたが、なんかちょっと真ん中が盛り上がってしまったような。繭みたいですね。
もふそれだけまとめられれば大丈夫。ここからしっかり作っていこうね。
円柱の両はじをキレイにしよう
もふで、これをおばけの形に寄せたいから、両はじをそれっぽくしていきます。
与力そ、それっぽく、ですか。
もふまず、頭の方は丸くしていきたいので、円柱の中心に向かうように、チクチク刺してみてくださいな。結構丸めて大丈夫ですよ。
与力はい、ではチクチク……
もふそして逆側は、頭よりも広がっているので……
与力下に行くほど広がるように、なだらかに刺していく?
もふそれは大変なので、下を太らせるよ~!
与力あっ、何でも刺して形作る訳じゃないんですね。
与力巻き終えたら終端を刺して留める。なるほど、簡単に太りますね。これなら……
もふで、太ったはじっこをキレイにするんだけど、ここが大切なところだよ。いろんな方向から刺しすぎないように注意して!
与力むっ、むむ?
Tips14 刺せば刺した方向に凹むことを忘れない。
今回のおばけは、ボードゲームのコマとして使いますので、自立できなければなりません。従って、円錐の底面は平らである必要があります。
そこでダイスの時と同じく、面を作るように刺していきますが、この時に羊毛をまとめようとするあまり、端っこの方のぽわぽわを押し込もうとして色々な角度から刺してしまうと、平面ではなく、球面になってしまう可能性が有ります。
平面を作る時は、あくまで垂直に、ひたすら垂直に、全ての針を同じ方向に刺していきます。これが大切です。
与力なるほど。これはだいぶできてきましたが……どうでしょうか。
もふうんうん。だいぶイイ感じ~。次はこれをもっと刺して、かわいいおばけにしていきますよ~。
与力あ、先生、二度寝したいから切り上げようとしてますでしょう。まだ寝ないで、ほら、コーヒー飲んで。