『ランスロット』を遊んでみた
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みんな「一番いいのを頼む」つもり
奉行ははは、おぬし好みのテーマのゲームだな。そして、「一番いいのを頼む」って、もはや懐かしいフレーズを持ってきたな。
与力2011年のネタなので、こんなフレーズを使っていたら『インターネッツ老人会』入りですかね。
奉行ナウなヤングなど知らない方のために触れておくと、かつて話題になったPS3のゲームを象徴する(?)有名なフレーズだ。
与力ちなみに私、ワゴンセールで見つけたので、買って遊びました。
奉行……正気じゃなかったのか?
『ランスロット』では、各プレイヤーは馬上槍試合大会に臨む騎士となり、なんやかんやのトラブルを乗り越えて装備を整え、大会に出場して優勝し、トロフィーをより多く獲得することを目指します。
奉行本筋に戻そう。つまりは大事な試合に臨む騎士こと、寝坊しちゃったおっちょこちょいおじさんになるゲームと。
与力おおむねそのようなノリです。カトゥーンアニメにあるような、走りながら着替えて、会場に飛び込むイメージですかね。
奉行で、観客から笑われるか、あるいは「大丈夫だ、問題ない」と言える装備を整えられるか、だな。
与力その台詞だと、装備破壊されちゃいますよ。
まずゲーム開始の準備です。各プレイヤーには1枚ずつ馬カードが配られます。次に、装備カードをよく混ぜ、裏向きにしてテーブルの中央に広げます。各プレイヤーは広げられたカードの裏面に描かれている「兜」「鎧」「槍」「楯」「靴」をそれぞれ1枚ずつ取り、自分の騎士を作り上げます。残った装備カードを裏向きのまま重ねて山札とします。これで準備完了です。
奉行麻雀のスタートと同じか。あちらは手牌後にすぐオープンするが。
与力ですね。テーブルにゲームマットとかテーブルクロスとか敷いてあると、その上でワシャワシャ混ぜられて楽かもしれないです。
奉行しかし、スタートプレイヤーは「最近、中世の市場に行ったことがある人」って、判断難しくないか?
与力どうなんでしょうかね。史跡巡りしてる人が強いってことになるんですかね。
カードを引いて、置くか、使うか。
与力ゲームの進行は非常に簡単でしてね。カードを引いてきたら、まず「裏向きのまま」で自分の騎士の同じ部位のカードと入れ替える、というのがあります。
奉行ふむ、だがそれでは闇鍋状態ではないか。「何だか分からんもの」と「何だか分からんもの」を入れ替えても、「何だか分からん自分」が残るだけだぞ。
与力哲学的なようで当たり前のご指摘、有難うございます。そこで、『アクション』という選択肢が出てくるんですね。
引いたカードを表にして捨て札にすると、カートに描かれているアイコンで指定されたアクションを行うことができます。これにより、自分、あるいは他プレイヤーの騎士がどのような状態になっているか確認したり、カードを入れ替えたりすることができます。
与力例えば、この鎧のカードのアクションは、「自分の装備カードを1枚表にする」ということです。
奉行ははあ、なるほど。「アクションで自分や他人を確認」し、「交換」で勝てる騎士を組み上げる、と、そういう理解でよいわけだな?
与力そんな感じですかね。まあ、狙ったアクションが来ないことも有りますし、そもそもアイコンが描かれていなくて、アクションのできないカードも有ったりしますんで、そんなに狙ってはできないですけどね。
奉行ともかく、流れは分かってきたぞ。
与力で、アクションはだいたい4つに分類されていてですね、「自分、あるいは他人の装備カードを見る」「自分、あるいは他人の装備カードを表にする」「自分と他人の装備カードを交換する」「馬カードを交換する」となっています。
奉行ふむふむ。人のカードを奪うこともできるのか……。
与力2枚カードを見られるとか、カードを見た後に交換できるとか、色々派生形も有りますが、ざっくりまとめるとそんなとこです。
奉行で、より良いカードを集めていく、ということになるのだろうが、良いカードかどうかはどうやって見分ける? 絵の感じか?
与力まあ、絵でもおおよそ理解できるところではありますが、ちゃんと分かりますよ。
装備カードの強さは、表面にダイス目で表示されています。最低は0、最高は5です。5つの部位の強さの合計が最も高かったプレイヤーが、勝利します。
与力イラストだけでもある程度は装備のレベルが分かります。最強の5だと装備が金ぴかですね。
奉行一番下の0は裸(装備無し)か。なるほど、分かりやすい。
与力なお、スタートプレイヤーの最初の手番以降は、「捨て札の山の一番上のカード」を取ってきて、自分の装備カードと入れ替える、というアクションができるようになります。
奉行あ、アクションをするために表にして捨てたカードが思いのほか強かったりした場合は、拾ってきて再利用することができる、ということか。
与力はい、その通りです。ただ、そのカードでアクションはできません。アクションしたいなら、山札から引いてください、ということですね。
奉行ふうむ……ではアクションを使って自分のカードを確認して、他人のカードを確認して……とかやっていても、カードを交換されてしまったりするといつまで経っても勝負が始まらんな?
与力はい。ですので、「いける!」と思ったタイミングで勝負に出ることが必要になってきます。
時は来た!
手番を進め、自分の騎士が大会を勝ち抜くのに十分な強さを持っている、と判断したプレイヤーは、馬カードを騎士の上にのせて、意思表示をすることができます。誰かがこの意思表示をしたら、他のプレイヤーはそれぞれ1回ずつ最後の手番を行ったのち、大会へ突入します。
奉行馬をのせると、何か良いことはあるのかな。
与力はい、馬をのせて出場宣言をしたプレイヤーは、その後の他プレイヤーのアクションの対象にはならなくなります。宣言した時点の装備カードが守られる、ということですね。
奉行ああ、つまり「あいつ出場宣言ってことは強い装備だ、かっぱらえ!」みたいなことをされずに済む、ということじゃな。
与力はい。それ以降のプレイヤーは馬をのせて同じ恩恵を得ることはできません。あくまで、言い出しっぺのみの特典です。まあ2人プレイの場合には、その恩恵はなくて、ただ単に大会を始める宣言でしかないんですが。
大会は強さ比べです。全プレイヤーは自分の騎士の装備カードを全て表にして、強さの値を合計します。最後に馬カードの効果を適用し、最終的な強さを決め、宣言します。最も強かった騎士が、大会の勝者です。
与力例えば今回の私の強さは、装備カードが4+4+5+4+1で18です。そして馬カードに+1という効果が有るので、これを足して19というのが、最終的な強さとなります。
奉行ほぉ、なかなかやるな。足元はお留守だというに。
与力お、言いますね。お奉行はどうなんです?
奉行ん、わしか? わしはだな……。
奉行装備の合計が18で、馬の効果は……えっと「山札の一番上のカードを引いて、同じ部位の装備と入れ替えてもよい」か。うん、山札の一番上は兜のカードだ。わしの兜は最強の5だから、効果は使わん。てことで、18だ。
与力あれ、地味な接戦になっちゃいましたね。一応、私の勝利ですが。
奉行いやいや、まだこれからよ。
大会の勝者は、2位の騎士の強さとの差と同じだけ、トロフィーを獲得できます。プレイヤー人数ごとに定められたトロフィーをいち早く集めたプレイヤーが、最終的な勝者となります。
奉行おう、つまり、「差をつけられて負けるのは良くない」ということじゃな。
与力2位に非常に大きな意味がある、ということですね。てことで、今回は1しか差がつきませんでしたから、私はトロフィー1をゲットです。2人プレイではトロフィー11先取が必要ですから……。
奉行ふふふ、まだ全く勝負は分からんということだな。さて、続けていこうではないか。
与力私があと1つトロフィーを獲得すれば勝利ですね。お奉行は全然トロフィー取れてないようですが。
奉行ぐ、ぬっ……カード運が悪いのかもしれん……だが、勝負だ!
与力おっ、強気ですね。じゃあ、大会で勝負を決めましょう。
与力えっと、私の騎士は合計10です。お、おや?
奉行ふっふっふ……わしは23。差は13なので、トロフィーも同じだけゲット。11以上先取したので、わしが最終的な勝者じゃな!
与力えーっ、そんな大逆転が起きるのかあ!
『ランスロット』【ここがイカス!】
奉行考えるようで考えなくていい、だけど考えどころはある、という感じがたまらんな。
与力どういうことでしょう?
奉行強い装備を揃えたい。そのために一生懸命自分の装備を確認して強い装備と入れ替えて、とかやっていても、他人の介入でワヤにされてしまう。
与力ああ、強い装備を持ってると思われたら、交換されてしまいますからね。
奉行となると最終的には、どのタイミングで勝負に出るか、その度胸が試されるのだよ。
与力考えどころはそこですか。
奉行まあ何手か巡れば、自分の装備が何か所か分かってくる。その合計値で大体いけるんじゃないかな、と思ったら、他プレイヤーが手を整える前に勝負に出て、勝ちを狙う。そんなとこだ。その見極めというか、思い切りが楽しいゲームだ。
与力勝負だけ見ると、相当運が絡んできますね。
奉行まあ、それはな。だが運が巡ってくるかこないか、期待して裏になっているカードを表に返していく瞬間というのもまた、このゲームの楽しみの一つじゃなかろうか、と思う。
与力アクションしようと思って引いてきたカードを裏返したら、最強の5だったり、とかね。
奉行誰かが拾うから、のちのち交換して奪い取ればいい……が、「5を捨てるということは、あいつの装備はかなり強いはず」とか推測されてしまうかもしれん。そうやって情報を蓄積していく緻密っぽいプレイも大切だぞ。
与力プレイヤーの雰囲気以外にも、判断材料は沢山転がっていますね、そう言われてみると。確かに考えどころはある……。
奉行最後に、出来上がった騎士の頓珍漢ぶりは心行くまで楽しむがよいぞ。
与力三連続で槍が木の枝だったりしましたからね。何を思って大会にエントリーなんぞしたのか。
『ランスロット』【ここはちょっと……】
奉行何だかんだ運の要素が大きいし、自分の手は人のプレイに大きく左右されがちではある。妨害も受ける。様々な理不尽さをよしとできるかどうか。
与力騎士の装備の奪い合い、というシチュエーションを楽しまないといけないですね。
奉行だな。そういうバカ騒動をやるゲームなのだ、ということでお気軽に楽しく盛り上がってもらえるといいのではないか。
与力パーティー系のゲームでしょうかね。
奉行そういう傾向かもしれんな。ちょっと気になったのは、1位と2位の差が意外と僅差で拮抗するケースが続くことがあるんだよな。
与力はいはい、別日に4人プレイで遊んだ時のことですね。
奉行そうなるとなかなか勝利条件までトロフィーを貯められるプレイヤーが現れず、じりじりとプレイ時間が伸びていくようなケースも有った。てことで、ゲーム展開によっては公称30分のゲーム時間より伸びることもあるんじゃないかな。
与力逆に、お奉行のような一発終了になることも無いとは言えませんけどね。
奉行そうすると平均すれば公称時間内に収まるのかもしれんのう。最後に、ゲームマットの使用を強く推奨したい。
与力雀卓でもいいですよ。
奉行この騎士、パンツはハートの柄モノなのだが、なんでこういうちょっと可愛らしい柄の選択をしてしまったのだろうな?
与力おそらく『魔〇村』のあの人をリスペクトしての選択なのではないでしょうか。
奉行なるほど。イチゴだと丸被りだからハートにした、と。
与力いや、分かりませんけどね。