『アーカムホラー第3版』を開けてみた
世界の終わりは近い!
(パッケージ裏面より)
プレイ人数:1-6人
プレイ時間:180分
対象年齢;4歳以上
1926年のマサチューセッツ州アーカムへようこそ
H.P.ラヴクラフトが作りだした、恐怖と怪奇に満ち、独特な魅力に富む「クトゥルフ神話」の世界。熱心なファンが多いことでも知られており、ボードゲーム、あるいはTRPGの世界では定番のテーマとなっています。特にTRPGは、日本では今や『クトゥルフの呼び声』から遊び始める人も少なくないように思いますが、どうでしょうか。
さて、ボードゲームにおいてクトゥルフ神話体系を再現した代表作といえば、FantasyFlightGames社の協力型ゲーム『アーカムホラー』だと思います。特に2005年に発売された第2版は、大型・小型の拡張が多数発売され、長くクトゥルフボードゲームの決定版として君臨しました。完全日本語版もアークライト社から発売されていましたね。
そんな大人気ゲームに大型アップデートが来たのが2018年。それが今回ご紹介する『アーカムホラー第3版』です。発表から楽しみに情報をながめていましたが、第2版とは見た目から明らかに異なるゲームになっていたこと、そしてこの10年以内に、FFG社は多くのクトゥルフゲームを世に送り出してきましたが、それらの要素が反映されているのではないか、など、非常に気になる部分がいくつもありました。さて、アーカムの街の様相はどのように変貌して我々を待ち受けているのでしょうか。箱の中身からチェックしていきたいと思います。
いつも通り冒涜的かつ危険満載の箱絵。でもちょっと楽し気に見えるのは、気のせい?
目を引くのは独特な形のゲームボードらしきものですね。箱のサイズはこれまでのアーカムホラーシリーズと同じ(約29.5×29.5×7㎝)の大箱。
やはり『アーカムホラー』あるいは『エルドリッチホラー』に象徴的な、巨大なゲームボードは見当たりません。
代わりがこれ。このボードを組み替えて遊ぶようです。
ただ、テキストびっしり確かな満足なカードは大量。
キャラクターとシナリオ(エンシェントワン)のシート。
トークン類も大量。ボードから抜く作業が大変です。
【ゲーム前雑感】
ラブクラフトの世界観や設定を忠実にボードゲームに落とし込んであった『アーカムホラー第2版』は、マニア受けは非常に良い(ずっと遊んでいたい、むしろカードを読んでいるだけで楽しい)のですが、ゲームの進行はとても重く、多人数で遊ぶと、1人1人の手番が回ってくるまでなかなか時間がかかる、という印象でした。興味がない人だとまずダレるくらいですかね。
その後、FFG社からはクトゥルフテーマのゲームが続々登場します。手軽なダイスゲームである『エルダーサイン』、ルールをスマートにした後継作的な『エルドリッチホラー』、よりTRPGに近い『マンション・オブ・マッドネス』、シナリオの妙味を少人数で楽しむ『アーカムホラー・カードゲーム』など、色々なプレイしやすい方向性が打ち出されたゲームが登場し、『アーカムホラー』は若干棚の奥にしまわれがちになりつつありました。とはいえ、徐々に狂気にむしばまれ、行き場が無くなっていくアーカムの街という名のゲームボードを駆け巡る楽しさは、他にはない特有の感覚であったと思っています。
さて、今回版上げによって登場してきた期待の第3版。『アーカムホラー』ならではの感覚を継承しつつ、後発のクトゥルフゲーム群に負けない遊びやすさを備えたゲームになっているでしょうか。早速遊んでみたいと思います。