電力会社 拡張 フランス・イタリアマップ(ボードゲームプレイ感想編)

ボードゲーム愛好

『電力会社 拡張 フランス・イタリアマップ』を遊んでみた

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【登場人物】

奉行藩の決裁担当。フランスと言えば?「モンサンミッシェルのオムレツって、そんな美味しくは……」

与力藩の買掛担当。フランスと言えば?「え、エスカルゴ……?」

おフランスは未来エネルギー賛美

奉行おう、これは確かに間違いなくフランス。

与力日本語版ではないので、都市名にカタカナが振ってないですから、ちょっと読みづらい都市名もありますかね。

奉行よし、では早速遊んでみようではないか。どのようなルール変更があるのだ?

与力ないです。

奉行なぬ?

与力セッティングが少し違うだけで、ルール変更は特にないです。はい。

奉行ちょっと気が抜けたが、逆に混乱しなくてそれはそれでいいな。ではいざ一戦。

与力あ、ゲーム準備には変更点があるので聞いてください。

奉行なんだなんだ、もったいぶって! わしは早く遊びたいのに! おぬしが長年隠しておくから!

与力確かに買ってからずっと積んでしまっていましたけれども、隠していたわけじゃないですってば。ともあれ、難しいことはないので、ささっと説明します。

フランスマップでは、ゲームの準備を行う時に若干の変更が加えられています。1つ目は「資源の配置」。2つ目は、「市場に登場する最初の発電所」です。

ボードゲーム 電力会社 拡張 フランス・イタリアマップ
特徴的な資源の配置。

与力まずは「資源の配置」です。さて、フランスという国は、発電供給において原子力に頼っている部分が非常に大きいです。だいたい全体の70%ちょいは原子力発電、というくらい原子力大国なんですよ。

奉行おう、なんか聞いたことがあるな。

与力将来もそのまま、という訳ではないでしょうが、ともかくこのマップが発売された2005年ころは、原子力花盛りだった訳で、非常に原子力発電所を導入しやすくなっているんです。

奉行現実を再現して、この初期資源配置なのか。

与力ええ、燃料になるウランが安いんですね。ちょっと待てばすぐに値段は手の届きやすい範囲に降りてきます。

奉行原子力発電所は強力だからなあ。いろいろナニではあるが、ゲームの上ではうまく活用したいものだ。

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山札をめくると……

与力次が「市場に登場する最初の発電所」です。オリジナルルールでは、山札の一番上はNo.13の風力発電所カードだったですね。

奉行そうだな。いきなり燃料費のかからない発電所が手に入るのは、大きなメリットだった。

与力フランスでは、その発電所はゲームから除外して使いません。

奉行なんと? その代わりに、一番最初に必ず原子力発電所が登場する、と?

与力はい。なので、フランス特有の安いウランの恩恵に早めに預かれてセボン、なプレイヤーが出てくることもあります。

奉行喋れもせんのにフランス語要素を入れるなよ。ともかく、これで原子力優勢という傾向が、揺るがなくなるなあ。

ボードゲーム 電力会社 拡張 フランス・イタリアマップ
マップの特徴は……

与力マップに目をやりますと、やはりパリが目立ちますね。

奉行これ、3つの町でパリか?

与力はい。“パリ都市群”ということになりますかね。お互いの間をシルブプレするのに、送電線コストがいらないのが特徴です。

奉行だから妙なフランス語要素を混ぜるな。しかしそうなると、早めにこのパリを抑えることが勝利への近道……?

与力とも一概には言い切れないのが、難しいところでして。コンプリ?

奉行お前、その怪しげなフランス語、ホントにどうにかせいよ。気が抜ける!

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フランス北西部の状況。

パリの周辺にも、送電線コストがかなり安い都市がいくつかあります。これらを複数のプレイヤーに抑えられてしまうと、パリを取ったとしても、そこから延びる方向が限定されてしまって、高い送電線コストに苦しむことになりかねません。

ボードゲーム 電力会社 拡張 フランス・イタリアマップ
とはいえ、なのだ。

奉行2人プレイではパリのメリットがやはり大きいように感じた。パリから出るわしの動きを封じられなかったようだな。

与力そうですね。最初に都市群を抑えられて、あとはずっと追いかける立場になってしまいました。

奉行パリで2人してぎゅうぎゅう詰めになったら、また違うかもしれん。しかし、この物議をかもすパリだが、ここを含むエリアを外して遊ぶのもありなのか?

与力少人数で遊ぶ場合の『エリア限定』の話ですね。2人だと3エリアを選ぶことになっていますが、パリは外すには“重要すぎる”そうなので、いずれの場合でも必ず使用することが推奨されています。

奉行ははあ、そう明記されていると。それほどまでになあ。

愛と情熱はあるが燃料はない

奉行さて、イタリアマップだが……なん……じゃこりゃ。

与力ええと、経済発展している北部と、今一つ取り残され気味な南部という様相を端的に表したマップ……なんですかね?

奉行これはあまりに。南部の都市群がどこも孤立しているように見えるわい。

ボードゲーム 電力会社 拡張 フランス・イタリアマップ
ひしめき合う北部イタリア都市。

イタリアマップもフランスマップと同様、追加ルールは無く、ゲームの準備の際、燃料の初期配置に変更が加えられます。それによって石炭は3、石油は4、ゴミは5が最低価格となり、ウランは2個しか配置されません。

奉行地理的な問題にくわえて、最初っから燃料費が高いなあ。これ、どうしても北部で送電網を広げるしかないか。

与力いかに北部で稼いで、南へ進出していくか、でしょうねえ。

奉行……これ、北側の楽な方だけで遊んじゃダメか?

与力ちょっとちょっと。「世界の中心であるローマは入れねばなるまい!」とか鼻息が荒かったのは、どこの誰ですか。

奉行いやだって、少し前にローマを守るゲームやったから。しかし、ここまで送電コストがかかる場所とは知らなんだ。怖気づくレベルだった。

ボードゲーム 電力会社 拡張 フランス・イタリアマップ
全ての道は通じているだろうが、コストが高いローマ。

奉行うひー。なんか、常に自転車操業状態だな。資源の消費に補充が追い付かんから、どうやっても燃料費ばかり高騰する。

与力よそのEU加盟国から電気買えよ、って話になってきますね。ともあれ、いかに効率の良い発電所を抑えるかが勝負の分かれ目になりますか。

結果、燃料費のかからない中規模な風力発電所をキープした与力が、燃料費を節約して貯蓄を生み、最終的に手持ち資産の差で勝利を得ました。

奉行実に、実に苦しい電力供給だった。

与力基本、常に厳しい展開でしたね。建設したら手元すっからかん、が何度も発生しましたよ。

奉行本当にな。最大人数の6人とかで遊び始めた時、「ほかの人がいないところからにしよう」と南から始めちゃったら恐ろしい……。

与力人と違う一手を打ちたがる私に対する挑戦状ですか。

奉行いや、もし機会があったらやってみて、結果を聞かせてくれ。むしろ見てみたいぞ。

『電力会社 フランス・イタリアマップ』【ここがイカス!】

奉行面白かった! ほとんど何も変わっていないように見えて、『電力会社』の遊びの幅がぐんと広がったな。

与力単純にマップの追加というだけでなく、ゲームに対する印象が変わるほどでしたね。

奉行国による特色もしっかり出ているのがいいよな。まずフランスは「安価な原子力を使うかどうか?」という判断。

与力欲しいですよねえ、原子力。

奉行ただ、なんだかんだ、ウランは供給量が少ないからなあ。他の資源のように「3つ買う」とかを競争しだしたら大変だ。最初に発電所市場に現れる原子力発電所を抑えて、良いコストで稼働する原子力発電を独占してしまいたいところだ。

与力あとはパリですよね。重要すぎます。

奉行その駆け引きは人数が増えるほど重要になるであろうな。2人ではちと分からんかった。そこを気にしている方には申し訳ない。

与力「2人プレイが基本」のうちの致命的な弱点です……。さて、イタリアの方はどうでしょう。

奉行とにかく狭い。送電線高い。お金が無い。

与力そこまで言い切りますか。

奉行が、その「苦しい中で経営をどうやってうまく回すか?」というのがこのマップの面白さだろうな。北部都市群はもちろんなんだが、南部でも地味に安く繋げられるエリアがあったりする。ああいうポイントになる都市を見逃さず、かつ燃料資源を人と被らないように選択していくことが大切になるだろう。

与力他プレイヤーの狙いを鋭く見抜いていく必要性、ですね。

奉行そういうとカッコいい感じがする。燃料購入も建設も、誰かの後追いにならないことが大切だ。ニッチを見抜く的な?

与力ちょっと企業の研修テーマっぽくなってきましたよ。

奉行そうかもな? さておき、元々他者との競争が激しいゲームではあるが、このマップはますますプレイ人数が多ければ多いほど、戦いが熱くなりそうだ。

『電力会社 フランス・イタリアマップ』【ここはちょっと……】

奉行そもそも『電力会社』の純粋かつシンプルな拡張だ。従って、「ちょっとなあ……」というポイントは基本とおんなじだな。ざっくり言うと「細かいルールが多く、慣れるまで適用漏れや見落としも多くなりがち」「入手しづらさは基本ほどではないけれども、現時点(2019年2月時点)で並行輸入盤とかになってしまう」。

与力まあ、そうですよね。マップ以外にオリジナルな要素って、準備にちょこっと手が加わっているだけですし。

奉行あえて言えば、イタリアの苦しさは嫌いな人もいるかもね、という。

与力独・米・仏に比べて「縦横無尽の送電!」という第一印象も受けないですしね。

奉行少なくとも、最初に遊ぶとちょっとゲームに対する印象が損なわれる恐れがある、と個人的に思う。とは言え、重たい感じが好きな人もいるだろうしな。これは『チケット・トゥ・ライド』のマップ選びに近いかもな。プレイヤーが気に入るかどうかだ。

与力大らかな感じか、細かくつなぐ感じか……この味わいは結構違いますしね。

奉行あと、どっちのマップも2人よりは3人、4人といた方が特徴が際立っていいと思う。もちろん、当方では2人でも楽しく遊んでいるが。

与力本当、こういうゲームを遊ぶ時は分身したくなりますね。

ボードゲーム 電力会社 拡張 フランス・イタリアマップ
原子力というフランスの特性をガン無視した与力の発電所。

奉行ところでイタリアマップの方で妙なイタリア語が混ざらなかったのは、ちっとも知らなかったからなのか?

与力知ってますよ。えっと、カピターノ、ポルティエ―レ、マルカトーレ、トリプレッタ……。

奉行お前な、セリエAダイジェストでよく聞く単語を並べればいいってもんじゃないぞ。

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