ワードスナイパー・イマジン(ボードゲームプレイ感想編)

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『ワードスナイパー・イマジン』を遊んでみた

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【登場人物】

奉行藩の決裁担当。想像力といえば?「大人になってみると、危機回避能力とか先を見通す目とかに繋がる力な気がしている。なんつって」

与力藩の買掛担当。想像力といえば?「妄想と紙一重ですよね」

ターゲットワードをセンターに入れてスイッチですよ

与力さて、当奉行所でも密に取材をさせていただいている『ワードスナイパー』の新作です。カードが一新されたスタンドアロン型です。

奉行ふむ。先日、twitterで「『ち』から始まって『すぐに大きくなるもの』は?」というお題が初手から出た、という呟きによって多くの注目を浴びていたよなあ。さすがに笑った。

与力はい。「中学二年生のつく見え見えのウソ」。

奉行ぬはは。ウソにウソを重ねて話が大きくなる奴な。おぬしがいると下ネタも回避しやすいから、親子で遊んでいても安心だな。

与力親御さんが固まっちゃっても、お子さんが楽しい回答をしてくれますよ、多分。

奉行あるいは実にすがすがしく叫んでくれるかもしれん。さておき、店長が「文字を覚えるのは6歳からなので、遊べる年齢の表記などを再検討した」といった、非常に細かいところまで見直しの入った二作目だったか。見たところ、おおよその作りは同じだな。追加ルールとかは?

与力えっと、無いですね。

奉行ほほう。遊び方が同じというのは楽でいいな。さっそく楽しもうではないか。

『ワードスナイパー・イマジン』も、『ワードスナイパー』同様、「お題」と「文字」が両面に書かれているカードだけで3つの遊び方が楽しめます。「お題」に合う「文字」から始まる言葉を答える“ワードスナイパー”、6枚の「お題」のどれかに合う「文字」から始まる言葉を答える“ワードスナイパーリバース”、出されている「文字」だけで「お題」に合う言葉を作る“ワードスナイパーマルチターゲット”です。今回も、前回同様もっとも手軽で遊びやすい“ワードスナイパー”ルールで遊んでいきます。

与力カードをよくシャッフルして、「お題」の面を上にして山札を作ります……。

奉行で、山札をめくると、山の一番上に「お題」、めくったカードに「文字」が見える状態になる。

与力そして、その「文字」から始まって「お題」に合致する言葉をいち早く答えると、「文字」のカードを得点として獲得できます。

奉行んで、「文字」によって得点には差がある、ということであったな。

与力答えが出づらいカードほど高得点、といった塩梅ですね。覚えてましたね、流石に。

奉行シンプルだからなあ。余計なことは何もない。さて、では一戦。

「え」から始まる「強いもの」

奉行え、え……「江角マキコ」?

与力強いっちゃあ強そうでしたね、懐かしい。

奉行ありか?

与力私はいいと思います。ので、どうぞ。

「き」から始まる「キラキラしたもの」

与力「金閣寺」でどうですか。

奉行う、なるほど。この上なくキラキラしてる感じだもんな。

「せ」から始まる「お金で買えないもの」

奉行せ……「赤道」?

与力お奉行、割と疑問形でぽろっと言いますよね。

奉行頭の中で思いついたままを言ってしまうタイプでなあ。さて、ありやなしや?

与力そりゃ買えないですわとしか言えないですよ。

「ま」から始まる「告白する場所」

与力「マリンタワー」!(編集注:横浜港にある名所)

奉行お、横浜絡みできれいな回答をしおって。ちなみに2019年4月から2022年3月いっぱいまで、改修工事で全館休館しているぞ。

与力え! トイレが使いやすくてありがたい場所だったのに!

奉行おぬしの場合、トイレに駆け込みがちだもんな……そんなご当地情報はともかく、カードを取るがよい。

ということで激戦でしたが僅差で奉行が勝利。

奉行語彙力オバケのお主に勝てるのが、このゲームのいいところだと確信しているぞ。

与力オバケと評される割に、ワードゲームでの私の勝率って低い気が……?

『ワードスナイパー・イマジン』【ここがイカス!】

奉行まず、ゲームシステムについては完成されているので、云々することはない。

与力基本と変わりなく、安定していますね。

奉行その上で一言でまとめれば、実に、より遊びやすくなった。

与力ほう、随分とはっきりと断言しましたね?

奉行『ワードスナイパー』は、わりと明確な解答が必要なお題がチラホラ混ざっていたんだよな。それはそれで「よくそんなの知ってるねえ!」みたいな面白さがある訳だが。

与力そうですね。答えられたら嬉しいんです……が。

奉行そう。詰まってしまうとどうにもならなくなることもままあった訳だ。同時に何も出てこなくなって、「うーんと……」という時間が挟まり、そこでテンポが損なわれてしまう。

与力うちでは「園芸用品」と「公園の遊具」は鬼門でしたかね。文字との組み合わせによっては相当苦しいパターンが続いてしまうこと、どうしてもありました。

奉行それが今作の場合、お題がかなりふんわりしている。例えば「強いもの」って言ったって、どう強いかの基準は色々あるから、文字通り想像力の働かせ方次第で、いくらでも解答はひねり出せると。

与力ガンガン答えを言ってみてしまって良い、という感じですね。

奉行思いついた単語を答えるだけでも、周りが納得してくれることもあれば、補足説明で押し込んでしまえる、そんな気楽さが増している。

与力ワードゲームの持つ、年齢や経験問わずにわいわいする、という特性をより強化している感じですかね。

奉行そうそう。それが盛り上がる方向性に行っていると思う。例えば、“「冬に買うもの」「ち」”と来た時に、「ちんすこう……は買うかなあ、ほら沖縄旅行に行くのはいつも冬じゃない、私」みたいな感じで。

与力こう聞いていると無茶苦茶な理屈なんですけど、「ああー、確かに毎年行ってるよね」みたいになる可能性がありますからね。そこで遊んでいる人が納得すればいい、と。

奉行そういう感じで気軽に答えを口に出していけるから、何も出てこなくて「うーんと……」と詰まってしまうパターンが減った。結果、ゲーム全体がテンポアップしたし、盛り上がりも維持できるようになったのではないか。わしはそう感じたよ。

与力なるほど。特に大喜利系統のゲームが好きなゲーマーには、おススメしやすそうです。

『ワードスナイパー・イマジン』【ここはちょっと……】

奉行好みと遊ぶ環境によってはスイングしないかもしれん。そこは注意だ。

与力まあ、おおむねどのゲームでもそうですよね。具体的には?

奉行おそらくだが、ふんわりした解答が許容されるメンバーで遊んでいるかどうか、というところじゃな。

与力やはりメンバー次第になりますよね。

奉行さっきの例で行くと、「あなたの毎年の旅行プランなんか知りませんよ」という人には、あんな解答はぶつけづらかろう?

与力ですね。お互いをそれなりに分かっている同士、適当な解答が許される関係のメンバーで遊ぶ方が、より楽しめるでしょうねえ。

奉行後、先のプレイでわしがやったような「思い付きをぽろっというスタイルが嫌」、とか言われちゃうと、わし個人はちょっと辛い。つい言ってしまう。

与力「つよいもの」みたいに感性に基づくお題が多い分、その部分が合致しないと「はぁ、そうスか」みたいになりがち……イラストに対する感性が主軸となるゲーム『Dixit』なんかとも通じる部分でしょうかね。

奉行そうかもしらん。という点で、知ってる同士でも想像力の幅や及ぶ分野にズレがあり過ぎればつらかろう。

与力なるほど。“日向くんの強引なドリブル”みたいな突破が許容されるのか、よく相手を見ないとダメですね。

奉行その例えもどうかと思うが、要するにこの場合は漫画・アニメに疎い人だとさっぱり分からん、となるよな。その時に「こういうサッカー漫画があってね!」という説明による強引な突破が許されるかどうか、というところはあるだろう。

与力初対面の関係だと、そういった形では少し厳しくなりそうですからね。気心の知れた仲間内の集まり、なんていうのがこのゲームの最も活躍できる出番かもしれません。

奉行ただな、前作と今作、お題を総入れ替えしたおかげで全然印象が変わった。結果、明確な個性付けができたと思う。

与力ほほう?

奉行ワードゲームって案外、全部が全部好きってなりづらいと思うんだよ。例えば、語彙力や瞬発力が問われるの『ワードバスケット』『ワードスナイパー』、パズル要素も強い『ワードミノ』といったゲームに対して、感性の『イマジン』という棲み分けに成功したのでは、と感じた。

与力例にあがっているのが、うちで遊んだゲームばっかりですが、確かに個性が違いますね。

奉行わしがあんまりゲームを知らん点についてはほっとけ。で、ワードゲームってのは誰にでも遊んでもらいやすい区分だと思うが、それでも個人個人によって得意不得意・好き嫌いがあるだろう?

与力そりゃ当然そうですね。

奉行こういう時に「似た名前だけど、少しずつ要素が違ってね……」と、選択肢として提示する上で、『イマジン』は、より肩ひじ張らずに、年齢や性別、ゲーム慣れのレベルや語彙力とかにあまり左右されず遊びやすい、……そうだな、「連想ゲームっぽいやつ」と説明することもできそうじゃないか?

与力ああ、確かにゲーム未経験や初心者の方には、連想しやすい表現かもしれませんね。連想しやすい連想ゲームって、なんだかとっちらかっていますが。

奉行ということで、『イマジン』はより明確に、他のワードゲームとの違いや立ち位置を確保できるのではないか。そんな期待が持てるな。

混ぜても美味しい。

与力リゴレぽで店長が仰っていたように、ふんわり要素が強いと感じるならば、前作『ワードスナイパー』のカードと混ぜてみると、調整が効く、ということはぜひお伝えしておきたいと思います。

奉行うん、単独で遊んだり、割合を加減しながら混ぜて遊んだりして、良い感じに盛り上がるのが一番だね。ここは二つ持っている人の腕の見せ所かもしれん。

与力店長の言う「ユーザーの選択と余地」の一環ですね。