チケット・トゥ・ライド ドイツ(ボードゲームプレイ感想編)

ボードゲーム愛好

『チケット・トゥ・ライド ドイツ』を遊んでみた。

【関連記事】
【登場人物】

奉行藩の決裁担当。ドイツと言えば?「ビールにソーセージにプレッツェル……我ながら安直だ」

与力藩の買掛担当。ドイツと言えば?「それはもう”ベルリンの赤い雨”ですよ」

いつも通りの準備

奉行おう、新しいチケライか。ふむふむ、ドイツらしいが地名がサッパリわからん。

与力なんとなくでいいんで、適当に読んでください。

奉行おう、発音はとにかく、どこにどの都市があるかは把握しておかないと、行き先チケットが達成できているかどうかが分からんから、苦労するものな。

ゲームを始める前、各プレイヤーは自分の担当する色を決め、その色の列車コマ45個と得点マーカー1個を受け取ります。そして列車カードをよく切り、4枚を初期手札としてそれぞれに配ります。最後に行き先チケットを4枚引き、その内容をよく見て、手元に残すか捨てるかを選択します。これでゲームの準備は完了です。

奉行行き先チケットは最低2枚は必ず手元に残さなければならない、じゃな?

与力はい。で、チケットは短距離ルートと長距離ルートの2種類があって、合計4枚になれば内訳はどうでも構わないです。

奉行おお、では引きに自信があれば長距離4枚とか引いても良いわけじゃな?

与力はい。もちろん達成できなかったチケットの点数はマイナスになるので、それ相応にリスクは背負うことになると思いますけどもね。

チケットトゥライド ドイツ
行き先チケットの山が勝負のカギとなるか。

お客さんは待っています

奉行さて、いつも通りマップに描かれているルートと同じ色&マス目と同じ枚数の列車カードを揃えて、列車コマを置いて得点を重ねていく、という塩梅であろうな。

与力はい、そうですね。基本的な遊び方については、すでにご紹介済みの『チケライヨーロッパ』の記事をご覧いただけると良いかと存じますが、ご覧の通り、マップにはトンネルやフェリールートなどはなく、ジョーカーとなる虹色のSLカードにも、特に変わった使い方はありません。

奉行実はオリジナル版の北米マップのプレイ感に近い、という感じか? ではマップが変化しただけか? 確かに3重線ルートはすごいなあ、とか思うが……。

与力いえ、多分ドイツマップ最大の特徴と言えるのが、この人たちです。

チケットトゥライド ドイツ
「汽車はまだかなー」

奉行おお、さすがベルリン駅は乗降人数が多いようじゃな……って、このミープルたちは一体?

与力おおよそ答えを仰っておられたように思いますが、乗客コマですね。マップ上の各駅に基本1体以上置かれていますよ。

乗客コマはゲームスタート時、60個(6色×10)がマップ上に配置されています。各プレイヤーは、マップ上のルートを1つ完成させるごとに、ルートの両端となる駅から、乗客コマを1つずつ入手することができます。

奉行おう、つまりこのベルリンと……ロシュトック?でよいのか?の間をつなげば、それぞれの駅にいる乗客コマを1個ずつ、合計2個もらえるということか。

与力そうです。複数のコマが配置されているターミナル駅の場合には、好きな色のコマを選んでくださいね。

奉行これをたくさん集めた方がよい、ということだな。

与力ええ。各色ごとに沢山乗客を集めた1位と2位に得点が入るようになっています。

奉行なるほどなあ。すると行き先チケットの達成を狙う時にも、あえてほしい色の乗客が待っている駅を迂回していく、みたいなことをした方がいいかもしれぬのか。

与力プレイヤー数が増えると、そこの攻防が死命を制するかもしれませんね。

チケットトゥライド ドイツ
乗客を沢山乗せていけるルートを作りたい。

驚くほどの高得点勝負

ゲームが進行し、プレイヤーの誰かの残り列車コマが2個以下になったら、全プレイヤーがもう1度ずつ手番を実行し、ゲームは終了します。そして最後に得点の計算となります。

与力得点はまず「ルートの長さ」で入りますね。これは列車コマを置くごとに発生していますから、間違っていないかどうかの確認でOKでしょうか。

奉行意外と1コマとか2コマみたいなルートの点を忘れていることが多いからな。

与力次に「行き先チケット」ですね。各チケットごとに得点が書かれていますので、達成出来ていたら得点プラス、出来ていなければマイナスになります。

奉行これも1人ずつ皆で確認していくと良かろうな。特に複数のルートが接続しているものの、それらをつなぐ機能は果たさない外国のマスには注意だ。

チケットトゥライド ドイツ
与力のチケット。
チケットトゥライド ドイツ
いつの間にか沢山引いていた奉行のチケット。

与力ええええ、そんなに達成できたんですか……。

奉行ゲーム中に4枚引いたら全部同じようなところに集中しておってな、むふふふ、偶然じゃ偶然。

与力勝ち誇っちゃって、もう。では、一番多く行き先チケットを達成できたプレイヤーが、グローブ・トロッターカードをもらえます。

奉行ん? 最長ルート達成者ではないのだな。北欧マップと同じか。

与力そして最後に乗客コマですね。各色ごとに1番多く集めたプレイヤーに20点、2番目に多く集めたプレイヤーに10点入ります。

奉行待て待て。この人ら、そんなに高得点を運んでくるのか?

与力ですね。理論上、仮に6色で1位になれたら、120点ですか。すごいですね。

チケットトゥライド ドイツ
最終状態。

乗客コマという高得点源の出現により、243対191というハイスコアバトルとなった勝負は、奉行に軍配が上がりました。

『チケット・トゥ・ライド ドイツ』【ここがイカス!】

奉行ルールがシンプルに戻って、遊びやすくなったな。

与力確かに、そうかもしれませんね。

奉行SLカードの使い方で色々バリエーションが付いているマップが多かったが、今作はジョーカーとしての機能に留めて、乗客コマという新要素を付け足してきた。

与力乗客コマに関するルールは、特に分かりにくいことは無かったですものね。

奉行つないだルートの両端の駅にコマが有ったら取る。これだけだからな。単純な行き先チケットの達成や、長いルートの接続だけを狙う以外にも勝ち筋が増えたのは、取れる戦略が増えたことを意味しておる。良いのではないかな。

与力しかし、その乗客のおかげもあって、だいぶ豪快に得点が入りますね。

奉行そうじゃなあ。マップを見れば、東側には最高得点がはいる最長7マスルートがいくつもあるしな。2~3人プレイだと逆転が狙いやすいというか、バスケットボールのように点が入りまくるというか……。

与力路線をつなぐ楽しさは、前と変わらず十二分に味わえますよ。

奉行それはあった。行き先チケットも最初から沢山入っているし、最初に買うチケライとして選ぶ手も無くはないかもしらんな。アメリカとヨーロッパのちょうど中間的な位置づけになってくるのでは?

『チケット・トゥ・ライド ドイツ』【ここはちょっと……】

奉行チケライシリーズ伝統の結局は引き運じゃないのか、という点と、地名がカタカナ表記じゃない、というのが気になるなら、そこは変わっておらんので注意。

与力はい。それはこのゲームの特徴ですから、仕方ないです。

奉行それ以外に目立った瑕疵は無いと思うのだ。むしろ、拡張ルール付きのチケライの中では、相当遊びやすいと思う。

与力ふむ。もしも、チケライを遊んだことがない方が、自分に合っているかかどうか試すのであれば、まずは要素凝縮簡易版である『ニューヨーク』を買って遊んでみる。

奉行あるいは、ゲームカフェとかもいいかもしれん。有名作品なので、『オリジナル版』か『ヨーロッパ』が大抵置いてあるだろうから、出かけて行って遊んでみてはいかがかな。

与力その上で、今回ご紹介した『ドイツ』ならではの要素が魅力的なのかどうか、判断していただければ、よろしいかと存じます。こんな位置づけっぽいですね、『ドイツ』は。

奉行なんの商品紹介なんだかな? 個人的にはシンプルで楽しかったので、難しく考えずに、この『ドイツ』から初めるのもアリだと思ったぞ。

チケットトゥライド ドイツ
デンマークで来ぬ列車を待ち続けた乗客。

奉行しかし、だ。

与力はい?

奉行オリジナルのチケライでは、確かストーリー的には「7日間でアメリカの都市を最も多く鉄道で旅する」ことが目的であったはず。

与力なんかそんな感じでしたかね、そういえば。

奉行お前な、フレーバーって重要だぞ。ところが今回は路線を引いて乗客コマを取るとかなんとかってアクションから考えると、プレイヤーは鉄道会社なのか? 一体いつ変わったのだ。

与力いつかは分かりませんが、そのようですよ。箱裏の説明書きにも「都市間に鉄道を敷設して、ネットワークを作り上げるゲームです」って書いてありましたから、我々はもうJRドイツとかそんな感じですよね。

奉行JRのJが何を意味しているか分かってのその発言か?