パンデミック:完全治療(ザ・キュア)(ボードゲームプレイ感想編)

ボードゲーム愛好

『パンデミック:完全治療(原題 Pandemic:The Cure)』を遊んでみた

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【プレイヤー紹介】

与力藩の買掛担当者。パンデミックは大好きなゲームだが、ダイス運がないことに定評がある。

奉行藩の購入決裁者。かつて勝利一歩手前で敗北までひっくり返された、メキシコシティがトラウマ。

さあ、人類を救う準備はできたか?

過去、ボードゲーム版では何度も世界を救ってきたベテランパンデミッカー(そんな言い方しないか)である二人で、この「パンデミック:完全治療」に臨みました。しかし、なにしろ今回はまったく違うシステム。果たして無事に危機を乗り越えることができるでしょうか?

パンデミックダイスゲーム完全治療セッティング
セッティング中

奉行我らは物慣れしておる。少々の疫病には動じぬぞ?

与力でもダイスですからねえ。ちょっと予測がつかないです。

①自分のダイスをふってアクションを選択せよ!

ここがこれまでとの最大の違い。ボードゲーム版では4アクションを自在に組み合わせて、行動を選択することが可能でした。しかし、この『完全治療』では、各職業ごとに用意されているダイスをふり、その結果が示すアクションを行なうというやりかたになります。

各職業毎に、ダイス目は少しずつ異なっています。例えば飛行機移動の目があったり、治療の目が多かったり、各職業の特殊能力の目があったりしますので、全員が同じように行動できるわけでは有りません

そして恐ろしいのは、アクションをするつもりでふったダイスが、世界を滅ぼしかねないということ。実はダイスには“バイオハザード”マークが刻まれた面があり、プレイヤーがこの禍々しいマークを出してしまうと、ウイルスの感染度が上昇し、一定値を超えると、エピデミックを引き起こします! 

恐ろしい出目
運が悪ければこういうこともある。シンジラレナーイ。※実際の出目です。

奉行ああああああああああああ!!!

与力恐るべきは制御不能なダイスですな。

山札からエピデミックカードを引くか引かないかのボードゲーム版よりも、やっちまった感が強いシステムですね。

②移動、治療、サンプル採集、あるいはダイスをふりなおせ!

プレイヤーができる行動はおおまかに、以下の三つ。

  • 地域の移動
  • ウイルスの治療
  • 治療薬開発のためにウイルスサンプル採集

おおよそ、《ウイルスの蔓延した地域へ移動》→《治療してウイルスを減らす》→《治療されたウイルスからサンプルを採集》の手順を繰り返し、条件が整ったら治療薬を作成していきます。

ダイスの結果次第でできる行動が決まる訳なので、時にはやりたい行動ができないこともあります。むしろ、ままならないことの方が多いかもしれません。

治療薬の出目
こんな感じ。

奉行うむ。ここは治療に専念しよう。

与力いや、もうその地域にウイルスは存在していません。

そんな時は(バイオハザード以外の)ダイスを振りなおすことができます。気に入った出目になるまで何度でもできるのですが、もちろん振りなおすたびにバイオハザードの目を出してしまうリスクも伴います。

全ての出目がバイオハザード
こういうことも無いとは言えない。

奉行おのれ、おのれ、おのれ!!

与力お静まりください!

③時間切れの前に、4種全ての治療薬を開発せよ!

プレイヤーの行動が終わると次はウイルスが増殖し、感染が広がります。ウイルスもダイスで表現されていて、付属の袋から決められた数のダイスを引いて振り、その出目に応じた地域へ配置していきます。

各地域に置ける同じ色のダイスは3個まで。それ以上になった瞬間、アウトブレイクが発生して、時計回りに隣の地域へウイルスは拡散していきます。

ダイスが三つ揃い、アウトブレイク間際の状態
こうなってしまうとピンチ

与力これは一大事ですな。

奉行お主、よく涼しい顔をしていられるのう……

そしてアウトブレイクを規定の回数以上発生させてしまったり、ウイルスとなるダイスが尽きてしまうと敗北します。

敗北までの段階を示す注射器
この注射器がドクロマークに近づくほど敗北が近づく

ただ、ウイルス増殖のダイスは悪い結果をもたらすだけではありません。救急マークがでたダイスは、CDC(アメリカ疾病予防管理センター)タイルに回収され、イベントカードを使用する対価として用いることができます。イベントカードは全部で10種類。いずれも強力な効果をもたらします。

さて、プレイヤーが治療薬を開発するには、治療によってウイルスダイスを治療センターに送り、治療センターからウイルスダイスをサンプルとして確保するという二つの手順を踏みます。

治療薬開発のためにウイルスを確保
こんな形で確保。

そして確保したウイルスダイスを振り、その出目合計が規定値以上なら、治療薬開発成功となります。

ただし、サンプルを確保している間は、行動ダイスが1つ使えなくなる上、ウイルスダイスの量も減っている状態となります。やみくもに確保しておけばいい、という訳でもなさそうです。

赤ウイルス確保に、白ダイスを三つと茶色ダイスを一つ使用中
白の科学者は3個を確保に回しているため、残る2個分しか行動できない状態。

与力流石にダイスが4つあれば出ますでしょ。

奉行お主、それを慢心というのだぞ。

出目の合計値は6
結果。見事に開発失敗。

与力ば、馬鹿なー!?

奉行救急マークの面があるとはいえ、少々酷すぎであるな、その出目は。

4種類のウイルス全てに対して治療薬を開発できれば、プレイヤーの勝利となります。

勝利状態
最終結果。見事に4つの治療薬を開発し、勝利した。

奉行ダイス次第とはいえ、ある程度慣れれば、我らの側で操作できる部分もある。

与力イベントカードを積極的に使っていくのが良さそうですね。

*ちなみに、直後の二戦目は……

全体的にウイルスが増殖中
移動能力に長けた二人組だったが、なかなか行動が噛み合わず

奉行治療がままならぬ、なんとかいたせ!

与力そんな無茶苦茶な!

ダイス四つで治療薬二個、3と1…合計4
治療薬開発もなかなか出目に恵まれない。

与力ば、馬鹿なー!?

奉行お主、開発には向いておらんな……

アウトブレイクが連続発生
増殖し続けるウイルスに圧倒され続け…

奉行もはやこれまでか。

与力治療の手が足りませんし、ウイルスダイスの残量も大分少ないです(袋を振って残数を確かめながら)。

アウトブレイク回数が敗北回数に到達した
敗北。

奉行役目を全ういたせなんだ上は、職を返上し、謹慎して沙汰を待とう……

与力いや、現実とゲームの区別はしっかりしましょう、お奉行。

『パンデミック:完全治療』【ここがイカス!】

奉行ボードゲーム版と同様に、よくできた協力ゲームだと思う。受け持つ職業ごとに得意とするところが異なり、それをダイスの内容に落としこんでいる。おかげでダイスを振るごとにある程度行動の指針は決まり、自然とうまく仕事を分担できるようになるので、全員がゲームに参加している気分を強く味わえるのではないか?

与力ウイルスが意思を持っているかのようにウニョウニョと増殖していく様子の再現も、ボードゲーム版と同じで、見事だったと思います。ウイルスダイスが次々と増えていく状況は、なかなか緊迫感がありましたよ。

奉行世界地図を模したボードではなく、6枚のタイルで世界を表現するのはちょっと寂しいかと思ったが、遊んでみるとどうしてなかなか。立派な地球であった。

与力プレイ時間が短い(メーカー標準30分)のも好印象ですね。あと、片付けと準備がしやすい。

奉行ボードゲーム版とは大きく異なる見た目だが、少し気を抜くとあっという間にやられてしまうのは同じで、パンデミックはパンデミックであった。

『パンデミック:完全治療』【ここはちょっと…】

奉行残念ながら『奉行問題(協力ゲームにおいて、特定のプレイヤーが他プレイヤーに指示を出し続けること)』は解決できていないな。治療の目を2つ出して!などといった、たわけた指示はできぬが、行動ダイスの内容を見てあれこれ指示することはできる。そうなると、指示される側はダイスを振る作業を黙々とこなすのみとなる恐れもある。

与力ウイルス増殖がダイスなのはともかく、自分の行動もダイスで決められてしまうのを快く思わない人もいるかもしれません。全て自分で考えて決める!というわけにはいきませんので、あるいはゲームに勝つも負けるもダイス運次第じゃないのか、と感じられてしまうという。

奉行ダイスを使うことで手軽になった分、ボードゲーム版より計算が立ち難くなったのは事実であろうと思う。だが、ダイスならではの劇的な場面が生まれやすくなったとも言える。ということで、興味を持ったのならば、両方遊んでみるのが良いのでは?

与力我々はパンデミック大好きですからね。

余談ですが、ゲーム前にはパンデミックを題材にした映画などを鑑賞して気分を高めたりすると楽しいです。『アウトブレイク』『感染列島』『コンテイジョン』など色々ありますが、個人的には『沈黙の陰謀』がオススメです。世界の危機と戦うには何が必要か、それは腕力だということがよく分かります。

◎余談 最大人数でのプレイはいかに

奉行実は先日、このゲームを上限の五人で遊んでみたぞ。

与力はい、遊びましたな。

奉行メンバーの内訳は、我々と、ボードゲーム版の経験者が二人に、パンデミックシリーズ初プレイが一人であった。

与力で、プレイ感なのですが……。

奉行ボードゲーム版と同じで、人数が多ければよいというものではないな、確実に。

与力ですね。

奉行行動もウイルス繁殖も、ダイスの出目に左右される分、自分の手番が終わった後に次の手番が回ってくるまでに状況が大きく変化し過ぎた。それゆえにキャラクター間で特殊能力を軸に連携をとろうとしても、全員の能力を十分に活かしきれない場面が目だった。

与力まあ、是非もありませんな。

奉行何しろ全員が手番を終えるとエピデミックの注射器が6マスは進行しておったしな。ウイルスも一ヶ所に集中して、どうしようもなかった。

与力全員のダイス運が悪すぎた、という話もなきにしもあらず、ですが。

奉行そうかもしれぬが、あまりにもダイスゲームの悪いところである「運の要素が強すぎ」だったと言える。恐らくは人数が少ない方が、一人が動ける機会が多くなる分、もそっと計画性をもって勝負に臨めるのではないかな。となると、個人的には三人から四人で遊ぶのが最も良いのではないかと思うが、お主はどうだ。

与力そんな気がしますね。

奉行うむ。次は三人か四人で遊んでみるとしようぞ。

与力あ、ゲーム内容についてより詳しく知りたい方は、メーカーサイトをご覧くだされということで、補足にござる。

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